ロボアドバイザーと「コスト」

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ロボアドバイザーのコスト

投資を初めて行う人に「ロボアドバイザー」を利用する人が増えています。そこで、よく言われるのが、ロボアドバイザーのコストは高くないかということです。

ロボアドバイザーのコストになるのは、主に「サービス利用手数料」と「信託報酬」です。結論から言うと、自力で投資のできる人にとってはロボアドバイザーのコストは高いと言えますが、投資初心者にとっては妥当なコストです。つまり、ロボアドバイザーは投資に必要な知識や技術、また投資にかかる費用や手間、時間を手数料という代金で売っているということです。

ロボアドバイザーのコスト・サービス利用手数料

サービス利用手数料とは、投資の全てをロボアドバイザーに行ってもらうために支払う代金のことです。一般的に、サービス利用手数料は預け資産の1%程度になっています。

仮に、100万円をロボアドバイザーの口座に入金した場合、毎年必要になる利用手数料は約1万円です。なお、サービス利用手数料には以下の手数料が含まれています。

  • 振込手数料:銀行からのクイック入金
  • 為替手数料:円と外国通貨の交換
  • 売買手数料:金融商品の購入と売却
  • 為替スプレッド:取引の際に発生する売値と買値の差額
  • 出金手数料:口座からの出金

これらの手数料は自分で投資を行う場合は別々にかかりますが、ロボアドバイザーではその都度支払う必要が無く、手間も掛けずに済みます。

ちなみに、ロボアドバイザーの中には上記のような固定型と、成功報酬型の2種類のサービス利用手数料から選択できるものがあります。ただ、成功報酬型も全額が成功報酬ということは無く、固定部分と成功報酬部分が組み合わされています。

なお、固定部分は必ず発生する費用ですが、成功報酬部分は運用収益が損失であると発生しないため、その場合は固定部分のみの支払いになります。従って、利益が出る場合は固定型がお得で、利益が出ない場合は成功報酬型の方が負担が少なくて済みます。

固定型と成功報酬型のどちらが有利なのかは、一概には言えません。ただ、ロボアドバイザーは長期の運用で利益を目指す投資であるため、固定型の方がふさわしいとは言えます。

なお、預け資産が3,000万円以上になると、サービス利用手数料が半額になるロボアドバイザーもあります。例えば、預け資産が5,000万円だった場合のサービス利用手数料は以下になります。
3,000万円×1%+(5,000万円-3,000万円)×0.5%=40万円

ロボアドバイザーのコスト・信託報酬

ロボアドバイザーも投資である以上、投資資金を運用して利益の獲得を図ります。そのため、ロボアドバイザーは国内の株式や債券、海外の株式や債券などを購入して運用します。その運用を代行してもらう運用会社に支払う手数料が信託報酬です。信託報酬は業者によってまちまちですが、一般的に0.1〜0.3%になっています。

従って、ロボアドバイザーにおける年間コストはサービス利用手数料の1%と、信託報酬の0.1%〜0.3%を足した1.1%~1.3%になります。このコストだけで、資金の運用をすべて自動的に行ってもらえ、資産調整までしてもらえるのであれば、決して高いコストとは言えません。仮に、自分で行った場合、投資に費やす労力や時間をお金に換算したら、とても1%や2%の数値には収まりません。

ロボアドバイザーのコストの金額・サービス利用手数料の場合

ロボアドバイザーのサービス利用手数料に関しては、毎月月初若しくは月末に投資家の口座から引落とされます。そして、手数料の金額は以下になります。

例えば、WealthNaviでは以下の計算式になります。
・手数料:計算日(毎月1日)の時価評価額×1%(手数料率)÷365日×1.08(消費税)×利用日数

例えば、5月1日に100万円を入金し、1ヶ月後の6月1日に110万円の時価評価額になったとします。その場合の手数料は以下になります。
110万円×1%÷365日×1.08×31日=約1,008円

従って、6月1日に1,008円が口座から引落とされます。ちなみに、利益が出ていなくても手数料はかかります。100万円を入金して翌月も100万円のままだった場合は、917円の手数料を支払います。

なお、WealthNaviでは初回入金日から7日間は手数料の計算の対象外とされます。例えば、5月25日に投資を開始した場合、7日後は6月1日になります。WealthNaviの手数料の引落日は翌月1日であるため、6月は手数料が引かれません。7月1日に初回の手数料が引落とされます。

ロボアドバイザーのコストの金額・信託報酬の場合

ロボアドバイザーではサービス利用手数料の他に、投資している運用会社に対して支払う信託報酬があります。例えば、WealthNaviの場合は年率0.11~0.14%になっています。100万円を投資している場合は、年間1,100~1,400円を信託報酬として取られます。

ロボアドバイザーのコストを下げる割引制度

ロボアドバイザーには一定期間利用を続けると、手数料を割引く制度を設けているものがあります。

WealthNavi

WealthNaviで6ヶ月間運用を続け、出金をしないとサービス利用手数料の割引を受けられます。

  • 50万円~200万未満:年率0.01%
  • 200万以上:年率0.02%

THEO

出金をしていないことを条件に、3ヶ月間の投資金額の平均金額によって割引率のランクが決められます。その割引率が翌3ヶ月適用されます。なお、投資金額には積立金も含まれます。

ランクは以下の5段階になっています(左:割引率、右:平均投資金額)

  • ホワイト:1.0%、基準なし
  • ブルー:0.9%(10%OFF)、1万〜50万円未満
  • グリーン:0.8%(20%OFF)、50万〜100万円未満
  • イエロー:0.7%(30%OFF)、100万〜1,000万円未満
  • レッド:0.65%(35%OFF)、1,000万円以上

例えば、50万円を入金して運用し、4月に3万円、5月に3万円、6月に3万円の定期積立を行った場合、3ヶ月間の平均投資金額は56万円になります。従って、グリーンのランクになり、翌3ヶ月間の手数料は0.8%(20%OFF)に減額されます。そして、翌3ヶ月間の平均投資金額が翌々3ヶ月間の割引率の適用基準になります。

ロボアドバイザーのコストの削減に繋がるWealthNaviのDeTAX

ロボアドバイザーのWealthNaviには、「DeTAX(自動税金最適化)」という独自の機能があります。DeTAXというのは、ロボアドバイザーで生じた利益に対して含み損を加算することで利益を相殺し、税金の支払いを翌年以降に繰延べる機能のことです。

つまり、投資家のポートフォリオの中に含み損の発生している銘柄があると、その銘柄を一旦売却してから買い戻すことで損失を確定させ、利益と相殺することで税負担を軽減します。当然、税金を減らせる場合でなければ、この機能は適用されません。

例えば、ロボアドバイザーの利益が資産の2〜3%だったとします。その利益をDeTAXによって損失と相殺できれば、売却益にかかる税率の20%をカットできます。利益が2%であれば0.4%(2%×20%)、利益が3%であれば0.6%(3%×20%)の税金がカットされます。

DeTAXによって、税金の負担が0.4%~0.6%減少するため、その分がロボアドバイザーのコストを実質的に削減することになります。

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