ウェルスナビと確定申告

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WealthNavi(ウェルスナビ)の確定申告における申告分離課税

自動的に資産運用してもらえる投資一任型のロボアドバイザーに「WealthNavi(ウェルスナビ)」があります。運用によって得た利益に対して、確定申告の必要なケースと不要なケースがあり、また取引口座の種類によっても変わってきます。ちなみに、確定申告をすべきなのに申告を漏らすと、「無申告加算税」や「延滞税」というペナルティを課されます。

WealthNaviの所得は「申告分離課税」で納税します。申告分離課税とは、株式投資やFXなどで得た所得を他の所得と区分して税額を計算し、確定申告によって納税する方式のことです。

サラリーマンの給与収入は総合課税であり、累進税率によって所得が多くなるほど税率が高くなるため、最高だと55%にまでアップします。しかし、申告分離課税の場合は総合課税とは切り離され、所得金額に関わらず、税率は一律20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)になっています。

WealthNavi(ウェルスナビ)における確定申告の要・不要

WealthNaviで運用益が出たとしても、以下のように確定申告を必要とするケースと不要となるケースがあります

WealthNaviで確定申告を必要とするケース

WealthNaviで確定申告が必要になるケースは以下の場合です。

  1. 給与所得以外に20万円を超える所得
    給与所得や退職所得以外に年間20万円を超える所得があった場合は、原則的に確定申告が必要になります。勤務先から支給される給与に関しては、年末調整があるため確定申告は必要ありません。運用益に対してのみ、確定申告が必要です。

    なお、20万円というのはWealthNaviから受取った金額ではなく、WealthNaviの運用にかかった費用などを差引いた金額のことです。

  2. 「主たる給与以外の給与」と運用益の合計額が20万円超
    2ヶ所以上の勤務先から給与収入があり、年末調整を受けなかった給与と、WealthNaviにおける運用益の合計額が20万円を超えた場合は確定申告が必要です。

    つまり、WealthNaviの所得が20万円以下であっても、アルバイトなどの副業の給与を合計すると20万円を超える場合は、確定申告をしなければなりません。

口座の種類によるWealthNavi(ウェルスナビ)の確定申告が不要となるケース

WealthNaviの口座には以下の3種類があり、利用者が任意に選択できます。その開設する口座の種類によっては確定申告を行わなくてもよい場合があります。

  1. 特定口座(源泉徴収あり):確定申告・不要
    WealthNaviで税金が源泉徴収されるため、確定申告が不要です。手間がかからないため、WealthNaviの利用者のほとんどがこの口座を指定しています。

    なお、確定申告が必要な人は、原則的に給与所得以外に20万円を超える所得がある人です。WealthNaviの運用益が年間20万円を超えなければ、確定申告をする必要がありません。

    ところが、「特定口座(源泉徴収あり)」にしていた場合は、年間20万円を超える利益がなくても自動的に税金が源泉徴収されてしまいます。WealthNaviへの投資額が少額のため、利益が20万円を超える見込みがない場合は、この口座を利用しない方が得策です。

  2. 特定口座(源泉徴収なし):確定申告・必要
    WealthNaviから年間の取引を記録した「年間取引報告書」が送付され、それを基に利用者が確定申告をします。なお、「年間取引報告書」とは年間の取引成果をまとめたものであり、確定申告で必要になる書類です。WealthNaviのサイトで電子交付されたものをダウンロードできます。希望すれば書面を郵送してもらうこともできます。

    年間20万円を超える利益が無かった場合は確定申告をする必要はありません。ただし、住民税の申告だけは必要です。

  3. 一般口座:確定申告・必要
    WealthNaviからの「年間取引報告書」の送付が無いため、自分で1年分の取引結果を調べて損益を計算し、確定申告をします。

WealthNavi(ウェルスナビ)において確定申告が不要でも申告した方が良いケース

「特定口座(源泉徴収あり)」であれば、確定申告の手間が省けますが、確定申告をすると以下の措置を受けられます。

1.損益通算

WealthNaviは長年に渡る運用を前提にしているため、一時的には高額な損失の出ることもあります。その際は、「損益通算」という制度によって、他の口座において発生した株式や投資信託の利益と相殺することができます。

例えば、WealthNaviで50万円の損失が発生した際に、株式投資で60万円の利益が出ていたとします。この場合は株式投資の利益からWealthNaviで出た50万円の損失を相殺できるため、株式投資の利益が10万円に減少し、税金を納める必要が無くなります。この損益通算は「特定口座(源泉徴収あり)」の場合でも、確定申告をしないと適用されません。

ちなみに、WealthNaviの運用益と損益通算ができるのは、「株式等に係る譲渡所得等」に限られます。同じ投資でも、FXやバイナリーオプションは「先物取引に係る雑所得等」であるため、損益通算はできません。

2.繰越控除

例えば、株式投資の利益が60万円あったとしても、WealthNaviで100万円の損失が出た場合は、損益通算しても40万円の損失が残ります。実は、その40万円の損失は、翌年以降3年間に渡って利益から控除することができます。それが「繰越控除」です。

仮に、翌年にWealthNaviの運用益が30万円あったとします。その際に、損失の40万円から利益の30万円を相殺したとしても、繰越損失が10万円残るため、税金は課されません。

さらに、翌々年に50万円の運用益が出ると、繰越損失の10万円が相殺できます。差引された40万円の利益に対して税金が課されます。この繰越控除も、確定申告をしないと適用されません。

3.外国税額控除

WealthNaviの投資対象は海外のETF(上場投資信託)のみになっています。当然、外国の金融商品であるため、運用益が出た場合は当該国で税金を徴収されます。そして、残った金額に対して日本でも税金を納めます。つまり、同じ金融商品に対して外国と日本の2つの国で税金を納める「二重課税」になります。

そこで、二重課税を防ぐため、確定申告によって外国で納めた税金を申告すると、還付を受けることができます。具体的にはWealthNaviの年間取引報告書を基に、WealthNaviの分配金や外国税額を確定申告書に記載して提出します。

WealthNavi(ウェルスナビ)に運用益における確定申告の方法

確定申告においては、申告の目的や所得の種類などにより使用する様式が決められています。スムーズにミスなく申告書を作るには、国税庁の「確定申告書作成コーナー」というサイトを使うと便利です。

「確定申告書作成コーナー」を利用すると、画面の案内に従って質疑応答形式で入力していくことで、申告の目的や所得の種類に応じた様式の申告書を自動的に作成できます。また、作成した申告書をプリントアウトすることができるため、その書類を税務署に提出すれば申告作業が完了します。

直接税務署に行き、職員に確認しながら確定申告書を作成することもできますが、確定申告の期間はかなりの人で混み合い、時間もかかります。申告手続きを効率よく終わらすためには、「確定申告書作成コーナー」を利用した方が賢明です。


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