ロボアドバイザーと運用実績

ロボアドバイザーの運用実績とは

日本国内のロボアドバイザーサービスは、大きく分けて、「アドバイス型(助言型)」と、「投資一任型」に分かれます。
このうち、運用実績について取沙汰されるのは、勿論、「投資一任型」のロボアドバイザーサービスです。

投資一任型のロボアドバイザーサービスの場合、資産運用のアドバイスだけではなく、実際に、投資における投資商品の買い付けや運用、さらに、運用途中における資産配分の変更など、投資にまつわる概ね全ての実践作業を機能を持っているもので、投資家としては、ロボアドバイザー業者との契約を行えば、あとはロボアドバイザーが自動的に資産を運用し、保有株の下落等といった諸リスクにも、このロボアドバイザーが自動的に対応してくれることとなります。

パソコンやスマートフォンで運用金額を設定し、あとはロボアドバイザー任せ、という手軽さから、個人投資家を中心に、大きな人気を得ている、ロボアドバイザーサービスではありますが、やはり、気になるのは、実際の運用実績です。
実際に、月次の投資資金を設定して、ロボアドバイザーに運用を一任した場合、投資家としては、うまく資産を増やしていくことができるのでしょうか。

まず、結論から申し上げますと、ここ数年の運用実績では、ほとんどのロボアドバイザーが、その運用で、利益を上げています。
しかし、運用実績の委細については、当然、各ロボアドバイザー業者によって異なります。
この具体的な「差」を出している要因は、買い付ける投資対象であったり、システムの内容であったりします。
今回、各ロボアドバイザーの運用実績について、実際の運用実績や、運用実績以外にロボアドバイザーを選ぶために考慮する必要のあるもの、ロボアドバイザーの運用実績のリスク、及び、運用実績から見たロボアドバイザーの選び方について、お話ししてまいります。

ロボアドバイザー各社の実際の運用実績

まずは、ロボアドバイザー各社の、実際の運用実績についてお話ししていきます。
運用実績とは、全資産を、一定期間で、何パーセント増やすことができたか、と言うものです。
良く「年率の利回り」と言う言い方で表現されていることが多いものとなります。

実施された調査結果から、主だったロボアドバイザーの運用実績を挙げていくと、

  • 業界大手のウェルスナビ(WealthNavi)が、4.5~16.2%程度、
  • ベンチャー企業のTHEO(テオ)が1.9~12.9%程度、
  • 楽天の関連会社「楽天証券」が運営している楽ラップが、4.1~15.6%程度、
  • 新興証券会社「マネックス証券」が運営している、マネラップ(MSV LIFE)が10.9%程度、
  • そして、フィンテック企業であるエイト証券が運営する「クロエ」は、マイナス2~2.8%となっています。
    ※多くのロボアドバイザーが資産を増やしているのに対し、クロエは資産を減らす計算になります。

またウェルスナビ(WealthNavi)、THEO(テオ)、楽ラップは、平均的な年率利回りも公表されています。
そちらによると、

  • ウェルスナビ(WealthNavi):約10.6%、
  • THEO(テオ):約6.2%、
  • 楽ラップ:約10.8%

となっています。
ただし、これらはあくまで参考値です。
なぜなら、ロボアドバイザーは、元来、長期投資が目的のシステム設計となっており、複利効果によって少しずつ、長い期間をかけて、収益を挙げ続けることが特徴だからです。
そのため、短い期間の運用実績だけを判断材料にして、投資するロボアドバイザーサービスを断定するのは、は望ましいことではありません。

また、各コースの運用実績も、ロボアドバイザー業者によって、5パターンしかないものもあれば、231パターンも用意されているロボアドバイザーもあります。
そのため、必ずしも、「このロボアドバイザーサービスを選んだから、平均運用実績程度は期待できる」等と言う根拠になるものではないですし、時に、平均をはるかに超える運用実績を出すこともあれば、おのずと、その逆のことも、少なからずあります。

また、資産運用の考え方も、人によって違います。
多くの資産をロボアドバイザーに委託し、ローリスクの長期運用を狙っている方もいれば、少額の資産を、敢えてハイリスクハイリターンを狙って、数年程度の運用で増やしていこう、という、野心的な方針の投資家もいます。
このため、各ロボアドバイザー業者の、平均的な運用実績を見ることは、確かに、大切な作業ではありますが、その数値に頼り過ぎないこともまた、肝要です。

ロボアドバイザーの運用実績以外に考慮すべきこと

ロボアドバイザー投資においては、運用実績以外にも、いろいろと考慮すべきことがあります。
それは、ロボアドバイザー業者が徴収する手数料や、利益から控除される税金、と言った、実際の運用益から引かれるお金のことです。

ロボアドバイザーの手数料について

まず、手数料についてですが、アメリカなどの海外では、ロボアドバイザーの普及が目覚ましく、業者間の競争も熾烈です。
このため、各ロボアドバイザー業者が呈示する手数料率も、非常に安い傾向があります。
しかしながら、日本では、まだ、本格的なロボアドバイザー普及が為されていないのと、大手の証券会社が本格参入していない(大和証券などは例外的る)ためか、ロボアドバイザー業者の課す手数料が、米国の一般的なケースと比べ、2倍以上となっています。
こうした事情を考慮すると、運用実績による運用益を考えるのと同時に、投資を検討しているロボアドバイザー業者の、運用時手数料についても、同じく、もきちんと見ておく必要があります。
最近では、預かり全資産の、約1%前後の手数料で、投資を行えるロボアドバイザーも、出てきましたが、それでも中には、1.5%~2%に迫る手数料を取る企業も少なくないため、投資家自身において、あらかじめ、十分に確認を行う必要があります。

税金について

手数料以外に考慮すべきこととして、税金があります。
ロボアドバイザーによる運用は、NISAによる非課税とならないケースも多いため、運用を通して得た利益は、課税の対象となります。
そのため、あまり利益が出過ぎてしまうと、意外な課税金額となる場合もあります。
最近では、そういった税金の見通しを考慮して、わざと利益を減らす運用をしてくれる機能がついたロボアドバイザー(ウェルスナビなどが提供)も存在します。

ロボアドバイザーも、良好な運用実績を残せない場合もある

ロボアドバイザーは、人工知能であったり、世界有数の投資会社(米バンガード社など)の理論、ノーベル経済学賞受賞者の投資方法、と言った、様々な優れた投資技術を駆使しています。
更に、実際の投資判断が自動化され、人間の手が入らないことから、「感情に左右されない」という最大の利点もあります。

これだけの特徴があり、有能に見えるロボアドバイザーですが、それでも、相場の急変に対応できなかったり、複数のシグナルへの対応を急ぐあまり、結果的に、間違った動きをしてしまうことがあります。
そのため、いくらロボアドバイザーと言えども、運用実績で【結果】を出せない、つまり、年間を通じて資産を減らしてしまうこともあるのです。
投資家としては、そうしたリスクがあるということを、契約前に熟知しておくということと、単年だけで、そのロボアドバイザーの優劣をつけることは非合理である、ということを、あらかじめ、よく念頭においたうえで、資金を委託する必要があります。

ロボアドバイザーも、分散投資が必要

ここまで、ロボアドバイザー各社の実績には、それぞれ、差がある旨を、確認してまいりました。
こうした状況を踏まえ、投資家個々人においては、ロボアドバイザー投資においても、他の投資手法と同様、分散投資が必要であることが、明らかです。
具体的には、

  • 自分に合った運用実績のあるロボアドバイザーや、
  • 手数料がとにかく安いロボアドバイザー、
  • 税金対策効果の充実したロボアドバイザーなど、

様々なタイプのロボアドバイザー、目安としては3つ程度に、資金を分散するということです。
そうすれば、いずれかのロボアドバイザーが年間通期で損失を被ったとしても、他のロボアドバイザーがそれをカバーしてくれたり、等と言う効果が、期待できる場合があります。

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