WealthNavi(ウェルスナビ)とリスク許容度

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WealthNavi(ウェルスナビ)におけるリスク許容度

近年、AIを搭載したロボアドバイザーを利用した資産運用が好評を博しており、中でも高い人気を誇るロボアドバイザーにWealthNavi(ウェルスナビ)があります。そのWealthNaviは申込を受けると無料診断が行われ、利用者に対して以下の6つの質問を出します。

  • 現在の年齢
  • 年収
  • 金融資産額
  • 毎月の積立額
  • 資産運用の目的
  • 株価が1ヶ月で20%下落したときの対応

上記の質問に対する回答内容からWealthNaviは自動的に利用者に適したポートフォリオ(運用商品における資産配分)を構築します。ポートフォリオ構築の基準になるのが、無料診断から判定された「リスク許容度」です。リスク許容度は1~5までの5段階になっています。

WealthNavi(ウェルスナビ)の「リスク許容度」に関しては、公式サイトに以下の記述があります。
『投資において「リスク」とは「不確実性」という意味で使用されます。リスク許容度とは、中長期的な資産形成を目指すにあたり、どの程度の不確実性を受け入れるかを示したものです。なお、WealthNaviで設定いただくリスク許容度では、数字が大きいほどリスク許容度が高いことになります。』

つまり、リスクとは「先がどうなるか分からない」もののことです。そして、許容度とは「このくらいだったら我慢する」という度合のことです。リスク許容度のレベルを簡単に言うと以下になります。

  • リスク許容度1:儲けが少なくなっても良いから、損はしたくない。
  • リスク許容度5:多少の危険は覚悟してでも、とにかく大きい儲けを狙いたい。

リスク許容度2~4はその間のバランスを取るイメージです。

WealthNavi(ウェルスナビ)のリスク許容度におけるパフォーマンスの違い

5段階の各リスク許容度におけるパフォーマンスの差を表すため、仮に以下の設定で運用したとします。

  • 初期投資:10万円
  • 積立額:3万円/月
  • 運用期間:30年
  • 最終累計元本:1,090万円

各リスク許容度ごとに、元本の1,090万円が最終的にどの程度の確率でいくら貯まったのかというのが以下の数値です。

①確率30%

  • リスク許容度1:1,955万円
  • リスク許容度2:2,267万円
  • リスク許容度3:2,669万円
  • リスク許容度4:3,051万円
  • リスク許容度5:3,328万円

②確率50%

  • リスク許容度1:1,644万円
  • リスク許容度2:1,843万円
  • リスク許容度3:2,095万円
  • リスク許容度4:2,320万円
  • リスク許容度5:2,480万円

③確率70%

  • リスク許容度1:1,389万円
  • リスク許容度2:1,512万円
  • リスク許容度3:1,664万円
  • リスク許容度4:1,791万円
  • リスク許容度5:1,875万円

例えば、30%の確率の場合、リスク許容度1は1,955万円ですが、リスク許容度5は3,328万円になり、その差は1,373万円もあります。データを見れば分かる通り、リスク許容度の大きい方が運用業績が高くなります。

WealthNavi(ウェルスナビ)のリスク許容度における商品構成

リスク許容度の違いでこれだけの運用業績に差が出るのは、運用商品に起因しています。例えば、主要商品である「米国株」、「日欧株」、「米国債券」、「物価連動債」のリスク許容度ごとの割合は以下になっています。

  • リスク許容度1:米国株15.0%、日欧株5.0%、米国債券35.0%、物価連動債30.0%
  • リスク許容度2:米国株27.9%、日欧株10.5%、米国債券35.0%、物価連動債11.6%
  • リスク許容度3:米国株31.0%、日欧株23.4%、米国債券27.7%、物価連動債0%
  • リスク許容度4:米国株35.0%、日欧株28.6%、米国債券12.9%、物価連動債0%
  • リスク許容度5:米国株33.7%、日欧株33.8%、米国債券5.0%、物価連動債0%

リスク許容度1

米国株の割合が最も小さい15.0%となっています。一方、価格の安定している米国債券や物価連動債はそれぞれ35.0%、30.0%と比率が高くなっています。米国株は値動きの変動が激しいため、リスクを低くしたい場合は株式の割合を下げ、その分を安定した国債で運用するようになっています。

とにかく、確実な利益を望む場合はリスク許容度1で運用すると、元本割れの可能性は下がります。現在の世界的な経済状況は良好であるため、リスク許容度1でも年率約5.5%での運用が見込めます。

リスク許容度2

米国株の割合が上がって27.9%になります。その代わり、物価連動債の割合が下がって11.6%です。物価連動債は運用利率があまりよくないため、利益を狙う場合は縮小されます。リスク許容度2は年率約9.5%の利率で運用できています。

リスク許容度3

リスク許容度が3になると、米国株の割合が商品構成の1/3近くなり、31.0%に上がります。日欧株の割合も23.4%と高くなります。一方、安定商品の米国債券の割合は30%を切って27.7%となり、物価連動債の運用が無くなります。リスク許容度が上がるごとに、国債の割合が下がります。リスク許容度3の運用年率は約11.9%であり、リスク許容度が3以上になると年率10%を超えた運用が可能になります

リスク許容度4

リスク許容度が4になると、米国株の割合が35.0%、日欧株の割合が28.6%にアップします。逆に、米国債券の割合が12.9%まで下がります。リスク許容度4の運用年率は約14.2%です。

リスク許容度5

リスク許容度5では米国株と日欧株の割合が逆転し、それぞれ33.7%、33.8%になります。米国債券の割合は5.0%まで下がります。リスク許容度5は利益を上げることを主な目標としているため、運用年率は約15.5%とかなりの高レベルになっています。

WealthNavi(ウェルスナビ)のリスク許容度の変更

WealthNaviは長期運用、分散投資、積立運用が基本になっているため、一時的な運用結果だけでリスク許容度を変更するのは適切ではありません。

例えば、過去にはリーマンショックを始め、ドットコムバブル崩壊、チャイナショックなど一時的な相場の急落があり、運用業績が大幅に悪化しました。しかし、その後は必ず相場が持ち直し、急落前より価格が上昇しています。そして、長いスパンで見ると世界経済は緩やかな上昇を持続しています。一時的な価格の変動に左右されると、取れる利益を失うだけです。

また、WealthNaviは当初に利用者の投資適性を診断し、利用者に即したポートフォリオを構築します。例えば、若い人や資産面での余裕のある人はある程度のリスクを含んだ運用が可能と判断します。逆に、定年の近い人や運用結果が生活に影響を与えるような人の場合はリスクを抑えた運用プランにします。従って、運用途中でのリスク許容度の変更はポートフォリオに乱れを発生させる懸念があります。

ただ、資産や収入面での大幅な変動、生活環境の変化などからリスク許容度を変更しなければならない場合があります。リスク許容度の変更は以下の手順で行います(スマホアプリ)。

  1. アプリを立ち上げてログインします。
  2. アプリを立ち上げてログインします。
  3. ナビゲーションウィンドゥで右下の「設定」をタップします。
  4. 「プランのカスタマイズ」ウィンドウが表示されるので、希望するリスク許容度を選択します。
  5. 「このプランで決定」をタップして完了です。

リスク許容度を変更すると通常、深夜にポートフォリオが再構築されます。


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