WealthNavi(ウェルスナビ)のDeTAX機能について

昨今、自分の資金を自動的に投資で運用してもらえる、AIを搭載したコンピュータのロボアドバイザーの利用者が急増しています。そのロボアドバイザーのトップブランドと言えるのがWealthNavi(ウェルスナビ)です。

WealthNaviの人気の高い理由の一つに、「DeTAX」という特徴的な機能の備わっていることが挙げられます。DeTAXというのは簡単に言うと、税金の支払いを先送りする機能のことです。

WealthNaviの運用において、分配金の受取りや譲渡益などで利益を得ると当然、利益額に対する所得税を納めなくてはなりません。WealthNaviは利益を無くすことで、所得税を当年に支払わずに先送りできるようにします。それがDeTAXで、WealthNaviでは「自動税金最適化」と呼んでいます。

WealthNavi(ウェルスナビ)のDeTAXによる損益通算

そもそも、投資というのは利益の出る時があれば、損失の出る時もあります。そして、利益が発生すると所得税が課され、損失の場合は納税の必要がありません。実は、株式などの取引では「損益通算」といって、利益と損失を相殺することができ、残った利益額に対してのみ所得税が課されます。

ちなみに、投資の場合は売却することで初めて利益となり、税金の対象になります。保有してる金融商品にいくらの含み益が出ようと税金の対象にはなりません。

  1. 利益の発生するケース
    税金の発生するケースとして、例えば含み益のある株式を決済するとその利益が税金の対象になります。以下のような取引の場合です。

    100万円の資金で、1株:1,000円の株を1,000株購入します。その後、300円が値上がった時に売却すると、1,300円×1,000株=130万円になります。30万円(130万円-100万円)の利益が発生し、税金が課されます。

  2. 損失の発生するケース
    逆に、株式の売却によって損失の出ることもあります。上記の場合は株式が値上がりしたことで利益が出ましたが、値下がりすれば損失になります。例えば、300円の値下がりだと、30万円(70万円-100万円)の損失が発生します。
  3. 損益通算
    上記の例の場合、30万円の利益がありますが、30万円の損失があるため、損益通算すると最終的な利益は0円になります。つまり、納税の必要はありません。なお、株式やロボアドバイザーの投資信託の利益は「株式等に係る譲渡所得等」に該当するため、互いの損益を合算することができます。ただし、FXやバイナリーオプションなどは「先物取引に係る雑所得等」になるため、株式や投資信託の損益とFXの損益は合算ができません。
  4. DeTAXによる損益通算
    DeTAXは要するに、この損益通算を自動的に行うツールということです。WealthNavi は海外ETFの運用による分配金や保有商品の売却によって利益が発生しますが、株式の売却益と基本的に変わりはないため、税金が課されます。すると、DeTAXが作動し、保有商品の中で含み損の発生している商品を売却し、あえて損失を発生させます。損失を利益と相殺すれば利益が無くなり、税金を納める必要が無くなります。つまり、その年の税金の負担が削減されます。

WealthNaviの公式サイトには以下の記載があります。
『具体的には、ポートフォリオの中に含み損がある銘柄があれば、店頭取引により、その銘柄を一旦売却(含み損を実現させる)し、それと同時に同じ銘柄を、同じ数量、同じ価格で買い戻します。これにより、ポートフォリオの構成を維持したまま、その年の税負担の軽減を計ります。※税負担を必ず繰り延べることを保証するものではありません。WealthNaviでは、分配金による受け取りやETFの売却(リバランスによる売却も含む)により、利益により生じる税負担が2万円以上となる場合を目安として、DeTAXによる取引を自動的に行います。』

商品を売却するとポートフォリオ(保有商品における資産配分)のバランスが崩れるため、売却と同時に同じ銘柄でもって同じ数量、同じ価格で買い戻されます。

※繰越控除
仮に、WealthNaviの運用商品の売却において損失が出たとします。その場合は、他の株式などの取引における利益と相殺できますが、それでも損失分をカバーできないことがあります。その場合は、損失分を繰越控除できます。

例えば、株式口座の利益が20万円で、WealthNavi口座の損失が30万円だった場合、損益通算しても-10万円です。この場合、繰越控除によって翌年以降3年間分の利益と相殺することができます。仮に、株式口座の翌年の利益が15万円だった場合、15万円-10万円で、5万円分に対してのみ税金が課されます。

WealthNavi(ウェルスナビ)のDeTAXにおける税金の先送りの効果

税金の最適化というと、納める税金が安くなったと思いがちですが、DeTAXによって税金が少なくなるわけではありません。あくまでも税金の支払いの先送りでしかりません。

『先送りだけか』と思われるかもしれませんが、これが結構大きな効果を生みます。税金の支払いを先送りするということは、その税金分が資産として残るということです。手元に残った資産は再投資されるため、より複利の効果を得やすくなります。

WealthNaviの公式サイトにも以下の記載があります。
『分配金の受け取りやリバランスなどにより生じる税負担が一定額を超えた場合、お客様のポートフォリオ組入銘柄が抱える含み損を実現することで、翌年以降に繰り延べます。繰り延べがなかった場合より運用できる金額が増えるため、投資効率向上が期待できます。』

仮定の話として、WealthNaviで年率5%の利益が取れたとします。運用資金が100万円の場合は5万円の利益になります。仮に、税金が5万円だった場合、それを先送りできれば105万円で運用できるため、利益は5万2,500円になります。翌年も5万円の税金を納めなくて済めば、110万5,000円で運用できることになります。この差はバカにできません。

WealthNavi(ウェルスナビ)のDeTAXにおける手数料の負担の軽減

WealthNaviの手数料は預り資産の1%です(ETF手数料を除く)。DeTAXによって税金を納めなくて済んだ場合、納めなかった税額分が手数料の実質的な割引に相当します。

WealthNaviには以下のコメントがあります。
『WealthNavの運用手数料は1%ですが、多くの場合、DeTAXの機能により年間0.4~0.6%程度の負担減となるため、事実上のコストはそれよりも少ないものになるでしょう。』

DeTAXによる「0.4~0.6%程度の負担減」という数値に関して、WealthNaviは以下のような推察を根拠としています。
課税対象額となる年間の分配金+売却益が資産の2~3%相当と想定し、それに申告分離課税の税率20%を掛けます。例えば、課税対象利益が2%の場合は0.4%(2%×20%)、課税対象利益が3%の場合は0.6%(3%×20%)の収益効果となります。

WealthNaviのDeTAXにおける注意点

DeTAXはWealthNaviに標準搭載されている機能のため、特別な設定や申込みは必要ありません。ただし、一般口座では適応されないため、申込時における口座を特定口座に設定しておく必要があります。

また、DeTAXは必ず適応されるとは限らず、WealthNaviが税金を減らせると判断した場合のみ作動します。


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