nttデータとロボアドバイザー
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nttデータとロボアドバイザー:そもそもnttデータとは?
日本にはnttデータと言う会社があります。
このnttデータはNTTの関連会社ということが分かってはいてもどんな会社なのかよくわからないという方が少なくありません。
そんなNTTの関連会社がロボアドバイザーに関わっているというと余計分からなくなります。
そこで最初にこのnttデータとはどのような企業なのかを紹介していきます。
このnttデータはNTTグループ主要企業の一つで、システムインテグレーターと呼ばれるサブシステムを集めて1つにまとめ上げ、それぞれの機能が正しく働くように完成させる事業を行なう企業です。
一言で言えば、あらゆるサービスやシステムの根幹を作る会社になります。
企業としても非常に大きな規模であり、売上高2兆1171億6700万円
118,006名というのは、身近な企業で例えるとユニクロやリクルート全体の売り上げに匹敵します。
またインフラ企業であれば東北電力クラスの隠れた大企業です。
そんなnttデータですが、元々日本電信電話公社(以下電電公社、現・NTT)がデータ通信サービスを取り扱うデータ通、信本部を設立したことから始まります。
日本のシステムの根幹の開発を担い続けており、官公庁・金融向けシステムの開発という実績があるのです。
有名なもので全国地方銀行協会システム、郵便貯金システム、全国銀行データ通信システム、共同利用型クレジットオンラインシステム、都銀キャッシュサービスなどが挙げられます。
ここで気づかれる方もいますが、金融のシステム開発を得意としており、金融と全く無縁の会社ではないということです。
そんな電電公社の一事業部も民営化に伴い1988年エヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社として分離独立します。
その後も金融や天気予報システムなど日本の根幹となるサービスを提供し、成長を続けている企業です。
現在は海外ITサービス企業へのM&Aを基本とした成長戦略を軸に成長戦略をシフトしており、海外の情勢に敏感な企業の一つでもあります。
また、国際化に向けて取締役や執行役員に外国人を積極的に起用しており、保守的な印象のNTTには珍しい人事を多数行っているのが特徴です。
国内の同様の事業を手掛ける企業としては初の売上高2兆円を突破するなど国内最大手のシステムを開発する企業であり、金融システムとも密接な関係にあるロボアドバイザーに対しても盛んにアプローチを行っている企業の一つとなっているのです。
nttデータがロボアドバイザー企業と提携?
このような巨大企業であるnttデータですが、ロボアドバイザー企業と提携するという動きもあります。
厳密にはロボアドバイザーを手掛ける企業ではないのですが、マネーツリーという企業の株式を一部取得し、自社のサービスと連携するという行動をとっています。
このマネーツリーとは、銀行口座やクレジットカード、ポイントサービスの明細をまとめて表示する個人資産管理サービスで言ってみれば進化した家計簿アプリです。
ただし多くの家計簿アプリと異なり、iOSアプリがAppleから直接表彰されるなど優れた性能を持っているというのが特徴で、nttデータが自ら提携をするだけの能力を持ったアプリを開発する企業と言えます。
もともとロボアドバイザーはアメリカの個人資産管理管理サービスの一サービスとして誕生した経緯があり、nttデータはいわばロボアドバイザーの原点となるようなサービスを提供する企業と提携したといえるのです。
ちなみにこのnttデータの行動の目的は、マネーツリーのシステムであるMT LINKとnttデータが提供する金融機関などとFintech企業による新たなサービス創出を支援のためのコミュニティークラウドサービス(OpenCanvas、詳細は後述)を連携させることにあります。
いずれにしてもnttデータはロボアドバイザーの開発にも興味を持っていることの証と言える提携です。
ちなみに注意点としてこの提携はnttデータ子会社化ではなく、あくまで出資者の一人であり、弥生、TKCなどの大手会計会社、みずほ銀行のメガバンクと言った将来競合相手となりうるような企業ともマネーツリーは出資を受けているという点が挙げられます。
nttデータは銀行にもロボアドバイザーを提供?
nttデータは銀行に対して既にロボアドバイザーを提供しています。
投資一任型のロボアドバイザーに近いシステムであり、ファンドラップと呼ばれるサービスをりそな銀行に提供しているのです。
このロボアドバイザーはNTTデータグループ会社である日本電子計算株式会社がアメリカの大手IT企業であるIBMと日本IBMとりそなグループが共同で設立したディアンドアイ情報システムの3社で開発したものになります。
りそな銀行りそなファンドラップ(投資一任契約)と呼ばれるものがそれで、当初決定した運用方針に則って自動(リバランス)で運用すると言うロボアドバイザーそのものの機能を搭載しており、プロフィットロック、ロスカット機能なども付いた優れたものとなっているのです。
プロフィットロックとは、決められた利益が出たら取引を自動停止する仕組みで、指定金額(プロフィットロック・ポイント)に達したらすべての運用資産を換金してプロフィット(収益)を確定します。
一方ロスカット機能は、指定金額(ロスカット・ポイント)ロス(損失)を確定することで損失拡大を抑制する安全装置です。
これらの機能が付いたロボアドバイザーをりそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行(関西の地方銀行、近畿大阪銀行と関西アーバン銀行の合併により誕生した。りそなと三井住友フィナンシャルグループの傘下)で提供しています。
nttデータはロボアドバイザーに積極的!OpenCanvasとは?
nttデータはこのように開発を行うなどロボアドバイザーに対して積極的です。
また、ロボアドバイザーに関わらずそれらを含んだフィンテック全体に積極的な行動を示しています。
それがOpenCanvasというシステムです。
これは先ほども紹介したマネーツリーと提携し、強化しているシステムであり、端的に言えばフィンテックと既存の金融機関を結ぶサービスになります。
これからの金融サービスは、SoR(Systems of Record)と呼ばれる基幹システムの情報などを正確に処理するシステムとSoE(Systems of Engagement)と呼ばれるサービスを連携し新たな価値を創出するシステムが組み合わさったものとなるということが予想されており、それの橋渡しを行うのがOpenCanvasなのです。
SoRに高い実績を持っているため、その実績をもとにフィンテックなどのSoEを行う企業との橋渡しを行うというのがnttデータの方針と言えます。
また、SoR側である既存の金融機関(銀行や信用金庫など)をフィンテックと結びつけ新たな金融サービス提供を行うための手助けを行うのです。
そのための基盤がOpenCanvasと言えます。
nttデータがロボアドバイザーのイニシアチブをとるか?
イニシアチブとは特定の集団の主導権を握ることです。
日本の巨大企業であるnttデータは現在無数にあるスタートアップ企業が手掛けている新しい事業に対して、後発の大資本という形でどんどん進出していく可能性があります。
当然ロボアドバイザーという日本では5年程度の歴史しかない分野においても業界最大手として金融に変革を促していく可能性があります。
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