WealthNavi(ウェルスナビ)におけるリスクの存在

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自分で投資をする場合は、数多くの金融商品の中から自分の投資意向に即した商品を選択することが重要になります。当然、購入から売却まで自分で行わなければなりません。さらに、ポートフォリオ(商品における資産配分)が崩れたら、リバランス(配分調整)の実施という手間がかかります。投資の初心者がこのような作業を継続して行うのは、至難の業です。

そこで、人気の上昇しているのがロボアドバイザーであり、中でも第一人者のWealthNavi(ウェルスナビ)は利用者が急増しています。WealthNaviに申込むと、専用のアルゴリズムを搭載したロボアドバイザーに難しい運用を全ておまかせでやってもらえます。

ただし、いくら高度なアルゴリズムを搭載したロボアドバイザーとはいえ、リスクが全くゼロというわけにはいきません。投資である以上、相場の変動に左右されることがあり、運営会社のリスクも考えられます。

WealthNavi(ウェルスナビ)に想定されるリスク

WealthNaviに想定されるリスクとしては以下のことが挙げられます。

1.アカウントの乗っ取り

インターネットサービスの普及とともに、様々な運営サイトでアカウントの乗っ取り事件が発生しています。当然、WealthNaviのアカウントが乗っ取られれば、WealthNaviに預けている資産が不正に出金される危険が生じます。アカウントの乗っ取りで第一に考えられるリスクが不正ログインからの出金です。

2.為替の変動リスク

WealthNaviの運用は海外ETFで行われており、金融商品は全てドル建てで購入されます。従って、為替レートの変動によっては運用利益が減少するというリスクがあります。つまり、円をドルに、ドルを円に交換する時に為替差損が出ることによって、ドル建ての利益が削られるということです。例えば、米国株を1ドル:110円の時に購入したとして、その後1ドル:105円の円高になると、5円を損することになります。仮に、1,000株保有していた場合は、5,000円の損失になります。

3.資産の元本割れ

投資商品全てに言えることですが、WealthNaviにおいても運用した商品が相場の急落によって元本割れすることが起こり得ます。例えば、リーマンショックの時には、資産の元本割れが大量に発生しています。投資である以上、損をしないということはあり得ませんし、元本に対する保証もありません。

4.ウェルスナビ株式会社の倒産

WealthNaviはウェルスナビ株式会社によって運営されています。どんな大企業であっても、業績の悪化によって倒産するという事例が過去にいくつもあります。運営している会社が倒産すると、預けてある資金は戻ってこないのかという問題が生じます。

WealthNavi(ウェルスナビ)におけるリスクへの対応

WealthNaviでは様々な対策を図ることで、リスクの低減化を図っています。

1.アカウントの乗っ取りへの対応

WealthNaviでは不正ログインへの対策として、ログインIDとパスワードに加え、スマホアプリで作成された認証コード(6桁)を入力する2段階認証を推奨しています。2段階認証で作成されるパスワードは使い捨ての「ワンタイムパスワード」のため、セキュリティの安全性が高くなっています。

2段階認証の設定をすると、スマホを盗られない限り、アカウントにログインされる心配がありません。認証コードを入力するという手間が一つ増えますが、お金を盗まれるという心配の無くなる方が精神的には大きなメリットです。

なお、WealthNaviの通信システムにおいても、安全性への配慮がなされています。WealthNaviのサイトには以下の記載があります。
『すべての通信に256bit SSL通信方式を採用。お客様の個人情報・口座情報・入出金などはすべて、データを暗号化し、セキュリティ体制をしっかり整えたうえで保存しています。』

一般的な暗号化技術における安全性は以下になっています。

  • 64bit:低レベル
  • 128bit:中レベル
  • 192bit:高レベル
  • 256bit:最高レベル

bitというのは、いわゆる暗号化する際の「鍵の長さ」であり、bit数が大きいほどパスワードの解析が困難になります。WealthNaviでは個人情報や口座情報、入出金など、すべてのデータが暗号化された状態で保存されており、乗っ取りの危険性は極めて低くなっています。

2.為替の変動リスク

WealthNaviは5年、10年という長い年数における長期投資を基本としています。従って、短期での為替変動が最終的な運用益に大きな影響を与えることはありません。為替というのは国の政治的、経済的環境が大きく変化しない限り、一定の価格の中で上下動を繰返すだけのものです。また、WealthNaviは海外ETF(上場投資信託)が投資対象になっており、アメリカやヨーロッパ、新興国など、多くの国々の商品で運用されています。従って、1国の為替の値動きで保有商品全体の利益が左右されることはありません。

ちなみに、WealthNaviは積立運用の比重が高くなっており、ドルコスト平均法によって為替変動に応じた商品の購入がなされています。WealthNaviにおける為替変動のリスクは全体的に少ないと言えます。

3.資産の元本割れ

WealthNaviの海外ETFは世界の国の商品に分散投資されています。つまり、一部の国や企業が不調になったとしても、資産全体への影響が大きくならないようになっています。世界経済全体で見ると、穏やかな成長を続けており、仮に短期的には損失が発生したとしても、長期的な観点で見ると必ず持ち直して損失を補う利益が取れています。だからこそ、WealthNaviは長期での投資が有効となります。

なお、利用者の資産状況の大きな変化から、現在よりリスクを抑えた運用に変えたい場合は、WealthNaviのサイトから「リスク許容度」を変更することができます。WealthNaviのポートフォリオは利用者のリスク許容度を基に構築されています。リスク許容度が高いほど株式などの価格変動の大きい商品が増え、リスク許容度が低くなると、債券などの安定性の高い商品の割合が増えます。従って、リスク許容度を下げれば、元本割れの可能性が低くなります。

4.ウェルスナビ株式会社の倒産

WealthNaviでは法律の規定に則って、利用者の資産を信託会社へ預ける分別管理が行われています。つまり、ウェルスナビ株式会社は業績が悪化したとしても、利用者の資産を事業資金に流用することができなくなっています。また、資産の分別管理によって、仮にウェルスナビ株式会社が倒産したとしても、利用者はWealthNaviに預けた資金を信託会社から返還してもらえます。

さらに、ウェルスナビ株式会社は第三者機関の投資者保護基金に加入しており、利用者の資産は1,000万円を上限に投資者保護基金から補償されます。従って、ウェルスナビ株式会社の分別管理体制に不備があったとしても、日本投資者保護基金によって1000万円までは返還されます。このように、WealthNaviでは利用者から預かった資金は万全な形で保護されるシステムが採られており、ウェルスナビ株式会社が破綻しても、回収不能リスクは低減されています。


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