ロボアドバイザーとインサイダー

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ロボアドバイザーはインサイダー取引など違法行為に当たるのか?

ロボアドバイザーは投資一任型のタイプを選択して契約を行うと自動で株式などを含む様々な金融資産を購入し資産を運用してくれる便利なシステムです。しかし、少しでも取引に詳しい方であればこの自動で株式などを購入するというとインサイダー取引に引っかかってしまうのではないかという危惧を抱く方もいらっしゃいます。確かに通常の購入方法であれば自動でありとあらゆる資産を買い付けてしまうロボアドバイザーがそういった違法行為に知らず識らずのうちに触れてしまっているというのも不思議ではありません。今回そういった疑問に対し、過去に起こったロボアドバイザーの不祥事の内容やインサイダー取引に当たるのかと言った判断、そしてロボアドバイザーは安心して利用できるシステムなのかといった疑問に対して一つずつお話ししていきます。これを読めばロボアドバイザーが法に触れない安全なものなのかを知ることができます。
このロボアドバイザーはインサイダー取引に触れるのかと言ったお話しをする前にインサイダー取引についてお話ししていきます。インサイダー取引とはインサイダー(身内)の名前の通り、自分や自分に関係のある会社が株が上がりそうな情報をあらかじめ知って、その情報が外部に出る前に株式の売買を行うというものです。このインサイダー取引は発覚すると厳罰となることが多く、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金です。しかも内容によっては懲役と罰金の両方を科せられることもあります。さらにその行為に関連する財産は全て没収されるというものです。これだけ聞くとインサイダー取引はいかに重い罪であるかを理解できるのではないでしょうか。さらに補足すると業務上過失致死罪(医療事故や食中毒で死亡させてしまった場合)よりも処罰が厳しく、見方によっては殺人よりも重い罪なのです。

ロボアドバイザーはインサイダー取引ではないが違法行為で処分された経緯がある

確かにロボアドバイザーは違法行為で処分された経緯があります。日本国内にはないのでまず安心してください。その事例はロボアドバイザーの本場であるアメリカの事例です。
これは2018年12月に摘発されたもので、売却損を計上した銘柄と実質的に同一の銘柄を30日以内に買付けるウォッシュセールという違法行為(保有する資産はほぼ同じになるのに大きな節税効果がある)をウェルスフロント社のロボアドバイザーが行った可能性があるものと特定の顧客や従業員に対して一般顧客と利益相反(一般の顧客よりも儲けられるような行為)を行ったことです。
また、これ以外は運用パフォーマンスという重要な情報を恣意的に操作したという事例です。この事例に関しての処分は重く、ヘッジャブル社は廃業に追いやられました。
この二つの事例がロボアドバイザーの違法行為で処分された事例です。ただ、これらは利益相反などの違法行為があったもののインサイダー取引を行ったわけではないため、ロボアドバイザーが開発されてからこれまで一度もインサイダー取引で処分されたことはないと言えます。
ただ、海外のロボアドバイザーに関してはこれからも未来永劫インサイダー取引が行われることはないとは言い切れません。

ロボアドバイザーはインサイダー取引に当たらない

日本のロボアドバイザーはインサイダー取引を行う恐れがあるのでしょうか。答えは今の買い付け方法であればほぼそういったことはないと言えます。その理由として、買い付けている金融資産が日経平均株価、米国のS&P500などと言ったインデックス(株式などの平均価格を示す指数)に連動しているETF(Exchange Traded Funds、上場投資信託)と呼ばれるものだからです。このETFとは特定の種類の株式を買うのではなく、日経平均の価格に対して売買を行う商品です。つまり日経平均を構成する225銘柄の株を全種類買って、全種類売るような売買の方法になるためインサイダー取引をしようと思ったら、全てか過半数以上の企業と深い関係を持って情報を手に入れない限り難しく、ほぼ不可能と言えるのです。しかも日本だけでなく日米欧のそういった商品を売買しているので、しようと思ってもできないと言えます。
このことから現状の買い付け方法を採用している限り、ロボアドバイザーでインサイダー取引を行うこと自体不可能ということです。そのためロボアドバイザーの使用はインサイダー取引に当たらないと言えるのです。日本国内に限らず最近運用されている国外のロボアドバイザーもこういった買い付けを取っている場合が多いので(日本在住の日本人は利用できませんが)、ETFでの取引を行っている限り国外のロボアドバイザーもインサイダー取引に当たらないです。

ロボアドバイザーはインサイダー取引などの心配がなく安心

日本の多くのロボアドバイザーは日経や海外のETFなどを購入しているため特定の株式を購入することがなく、インサイダー取引に当たるような違法行為を自動で行ってしまうということはありません。
そのため上場企業の社員の方や経済関係の記事や情報を取り扱うマスコミ関係の方、あるいは複数の銘柄の株式を持っている投資家の方であってもロボアドバイザーに投資一任を行っている分に関してはインサイダー取引で処分されることはありません。
ただし、注意点としてこれからロボアドバイザーは様々なフィンテック企業や銀行、証券会社が参入します。そのため、それらの企業のいずれかが自社の特徴を出すために投資対象をETFではなく、特定の銘柄ごとの購入に充てる機能を実装する可能性があります(リスクがあるものの大きなリターンを狙いやすいため)。
現在は資本力のある企業やノウハウが豊富な企業が参入しているだけですが、今後中小のロボアドバイザー企業が多数参入すれば、差別化でそういった危険性のある商品を展開するという場合が非常にまれですがある可能性も否定できません。
そういった意味で今からでも自分が利用しようと考えているロボアドバイザーはどんなものに対して分散投資を行い、投資比率はどうなのかと言ったものに関して理解しておくと、よりロボアドバイザーを利用しやすくなるのではないでしょうか。

ロボアドバイザーは個別の株式を買うよりインサイダー取引のリスクが低い

これまでお話ししてきたように、日本国内のロボアドバイザーの株式の購入方法はETFに対する投資がほとんどなので、インサイダー取引のリスクはほぼありません。そのためロボアドバイザーは個別の株式を買うよりインサイダー取引のリスクが低いといえます。
ただ、逆に従来のように個別に株式を買う方がむしろリスクが上がります。インサイダー取引と見なされるのは、①内部者、②株式の発行元、③インサイダー情報、④故意に、⑤期間内に、⑥株式の取引を行うという6つの条件が当てはまったときです。ロボアドバイザーの場合はこういった条件が当てはまりにくいのですが、個別の株式を購入するとそういったリスクが出てきます。特に上場企業の社員や定年して1年未満の方は危険です。最近は企業の合併も多く、意外な所でつながりができてしまうこともありますから、予想外な場面でインサイダー取引になってしまうことがあります。予想外であっても故意と見なされ、4,000万円を超える課徴金命令が出た事例もありますから上場企業の方やその関係企業の方は個別の株式を買うのに注意が必要です。
しかし、ロボアドバイザーはそういった心配をせずに投資ができるので、むしろ安心して依頼できるのです。

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