ろうきんのロボアドバイザーについて
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ろうきんにもロボアドバイザーはある
ろうきんとロボアドバイザー、銀行よりもややローカル感があり、良く言えば温かみを感じ、悪く言えばやや保守的な印象を受ける身近な金融機関が労働金庫、通称ろうきんです。営利を目的とせず自営業者など様々な労働者を組合員として運営を行っている金融機関になります。その性格から、最新の技術であり、新たな営利を生み出すポテンシャルを秘めているフィンテックの代表格とも言えるロボアドバイザーとはまさに対極に位置すると言っても過言ではありません。また、利用者の方はフィンテックからも縁遠そうな割合は銀行などよりも高い印象があり、ロボアドバイザーとは無縁のように思えるのが労金です。しかし実はろうきんも北は北海道から南は沖縄まで全国に11ものろうきんが存在しており、そのいくつかは先進的な運営指針の元ロボアドバイザーを利用しているろうきんがあります。今回、このロボアドバイザーを利用しているろうきんを紹介しつつ、そのろうきんで積極的に使われているポートスターについても紹介を行っていきます。
最初にろうきんでもロボアドバイザーを採用しているのは都市部に営業エリアを持つろうきんが多いです。ろうきんというと一つの組織のように思われがちですが、11のろうきんは、非営利組織と言う名目が共通してるものの各ろうきんは独立採算をとり、独立した経営をおこなっています。そのため、ロボアドバイザーを採用しているろうきんもあれば、無縁の労金もあるのです。
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ろうきんで利用されているロボアドバイザーとは
ろうきんで利用されているロボアドバイザーは基本的にアドバイス型と呼ばれるものです。これは大手銀行や地方銀行の一部で採用しているタイプのもので、年齢や収入、運用を行う目的と言ったいくつかの質問に応えていくと自分に合った資産の運用方法や資産の比率、あるいはその運用に近い投資信託を案内してくれるシステムです。銀行の場合はそのシンプルな構造から自前でそのロボアドバイザーを開発し、公開しているところが多いのですが、ろうきんは銀行の系列会社がつくったロボアドバイザーを利用して運用しているケースがほとんどとなっています。
ただ、残念ながら一任型と呼ばれるお金を預けると自動で資産を購入していき目的に沿って資産をリバランスしたり、時にリスク回避を行うと言ったシステムを採用しているろうきんはありません。開発にコストがかかる点やNISAといった非課税のメリットが受けにくい金融商品になってしまうため敬遠されている可能性があります。それでも横浜銀行や新興の各銀行(ソニー銀行や新生銀行、じぶん銀行など)はこちらを採用しているため、将来的にろうきんの一部でもそういった商品を提供する組織も現れる可能性は否定できません。
具体的にろうきんで扱っているロボアドバイザーはどんなものがあるのか、愛知・岐阜・三重と言った東海三県にエリアを持つ東海ろうきんと、京阪奈と兵庫、滋賀、和歌山などの近畿一帯にエリアを持つ近畿ろうきんの例を挙げて紹介していきます。
東海ろうきんのロボアドバイザーツールを紹介
東海ろうきんのロボ・アドバイザーツールはいくつかのロボアドバイザーの中から利用者が選ぶアドバイス型のロボアドバイザーです。全て外部のロボアドバイザーを利用しており、ポートスターやiFree、ロボアド&シミュレーションなどです。ポートスターは東海ろうきん以外のろうきんも採用しているため後述しますが、それ以外のロボアドバイザーはどんなものがあるのかを紹介していきます。
まずiFreeですが、業界第二位の証券会社である大和証券の系列のロボアドバイザーです。診断を行った結果得られた資産配分比率を元に資産分散や積み立てを行うことでどのように変化していくかをシミュレーションしてくれるものです。典型的なロボアドバイザーのアドバイス型と言えるものとなっています。
ロボアド&シミュレーションは明治安田生命系列の明治安田アセットマネジメントが提供するこれもアドバイス型のロボアドバイザーとなります。このロボアドバイザーは運用結果の提示に特徴があり、投資プランや目標達成確率、元本割れ確率と言った利益やリスクについて動画作を利用して説明を行います。これによって理解しやすい作りとなっており、目標金額・投資期間・初期投資額・毎月積立額等の変更によるシミュレーション結果を提案してくれるロボアドバイザーです。
これ以外にも他のロボアドバイザーとはやや性格が異なりますが、野村證券の投信アシストも診断結果の資産配分によるリスク・リターン、実績データ、年間リターンを提案する仕組みとして東海ろうきんのロボアドバイザーツールに採用されています。
このように東海ろうきんのロボアドバイザーは大手の銀行や証券会社、生命保険会社の系列のロボアドバイザーを利用者に選択してもらい、それらのロボアドバイザーを利用してアドバイスを行うという仕組みになっています。
ろうきんのいくつかで採用されているポートスターとは
ろうきんではロボアドバイザーを採用しているろうきんと採用していないろうきんがあります。そのろうきんのいくつかはポートスターと呼ばれるロボアドバイザーを採用しています。中央ろうきんや東海ろうきんや近畿ろうきんなどの比較的大きな都市圏をエリアに持つろうきんが採用しており、ろうきんと馴染みの深いロボアドバイザーになります。このポートスターについてお話しします。
ポートスターは三菱UFJ系列の三菱UFJ国際投信株式会社がろうきんに提供しているアドバイス型ロボアドバイザーです。他のろうきんが利用するロボアドバイザー同様ロボアドバイザー自身で運用を行うことはありません。ただ、ポートスターが提案する質問に答え、ポートスターが推奨したプラン通りに投資を開始することで目的に合った効率的な資産運用が期待できます。ただ、多くのアドバイス型ロボアドバイザーが無料で利用できるのに対し、こちらは有料となっています。その理由としてリバランスの機能があるということが挙げられます。継続的に利用することを前提として、資産価値の変化に応じて当初のバランスが崩れた時、それを修正してくれるのです。三菱UFJの記入商品であるeMAXIS最適化バランスシリーズのいずれかを提案するという仕組みで、その点は他のロボアドバイザー同様自社系列の商品を提案するという意味で共通しています。ただ、通常のアドバイス型ロボアドバイザーより一歩前進したサービスと言えるのではないでしょうか。
ろうきんもロボアドバイザーが浸透しつつある
ろうきんとロボアドバイザーは無縁ではないということを知っていただけたのではないでしょうか。確かにアドバイス型、しかも銀行と異なり大手の金融機関や証券会社、生命保険会社と言ったところからの提供という形ではありますが、利用されているのは確かです。今のところここまでの展開で止まってはいますが、今後のフィンテックの進展によっては銀行のように一任型のロボアドバイザーであるTHEO(テオ)やウェルスナビと言った専門企業とタッグを組んで提供を行うろうきんも現れる可能性があるのではないでしょうか。いずれにしてもろうきんと言った比較的ローカルな金融機関でもロボアドバイザーは浸透しているという事実は確かです。
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