ロボアドバイザー各社の成績について

当サイトはPRを含みます。

ロボアドバイザーは運用成績が重要

ロボアドバイザーには大きく分けて、「アドバイス型(助言型)」と「投資一任型」があります。その内、投資一任型は運用をロボアドバイザーに委託するため、運用成績がロボアドバイザーの選定に大きく影響します。

全てのロボアドバイザーはポートフォリオ(資産配分)の設定から売買、運用、さらにはポートフォリオの見直しまで自動的に行われます。従って、利用者にとってはロボアドバイザーに運用を委託すれば、後はロボアドバイザーの運用結果を確認するだけになります。だからこそ、ロボアドバイザーの評価は運用成績が判断基準の根幹になります。

実際の運用成績の結果を見ると、ロボアドバイザーが提供されて以降、ほとんどのロボアドバイザーが利益を上げています。運用成績の内容においては、各ロボアドバイザーの間で数値が異なっています。各ロボアドバイザーで運用成績が異なるのは、主に運用商品の違いが影響しています。

ロボアドバイザー大手3社の運用成績

WealthNaviとTHEO、楽ラップの運用成績は以下になっています。

WealthNavi(ウェルスナビ)

業界最大手であるWealthNaviの運用成績は以下になっています。
・運用成績:100万円→116.4万円(+16.39%)
・複利ベースの年率リターン(利回り):5.54%
当初、WealthNaviの最低投資額が100万円でした。

WealthNaviの運用開始は2016年11月です(2年10ヶ月の運用)。トータルリターンは円ベースの約16%に対し、米ドルベースでは20%になっています。米ドルベースのリターンは高くなっていますが、為替が円高にあるために為替差損が発生し、円ベースのリターンを低下させています。

WealthNaviの保有銘柄と経費率は以下になっています。
・VTI(米国株)
バンガードトータルストックマーケット:0.03%
・VEA(日欧株)
バンガードFTSE先進国市場(除く米国):0.05%
・VWO(新興国株)
バンガードFTSEエマージングマーケッツ:0.12%
・AGG(米国債券)
iシェアーズコア米国総合債券ETF:0.05%
・GLD(金)
SPDR ゴールドシェア:0.40%
・IYR(不動産)
iシェアーズ米国REIT不動産株ETF:0.42%

平均経費率は0.11%です。なお、手数料が年率1%なので、実質的なトータルコストは年率1.11%になります。運用利回りが5.54%なので、最終的なリターンは4.43%ということです。なお、WealthNaviには「長期割」があるため、適応される場合の手数料は0.03%下がって0.97%になります。

THEO(テオ)

・運用成績:10万円→11.5万円(+15.47%)
・複利ベースの年率リターン(利回り):4.94%

運用開始は2016年8月です(3年1ヶ月の運用)。運用成績はWealthNaviより約1%劣ります。なお、米ドルベースでは約11%の利益しかないので、為替の差益が運用成績に貢献しています。

THEOの保有銘柄と経費率は以下になっています。
・SPYV(先進国株)
SPDR S&P500バリューETF:0.04%
・VPL(先進国株)
バンガードFTSEパシフィックETF:0.09%
・FEZ(先進国株)
SPDR ユーロストックス50 ETF:0.29%
・VWO(新興国株)
バンガードFTSEエマージングマーケッツ:0.12%
・SPAB(投資適格債)
SPDRポートフォリオ米国総合債券ETF:0.04%
・SJNK(ハイイールド債権)
SPDR ブルームバーグバークレイズ短期ハイイールド債券 ETF:0.40%
・BWX(先進国国債)
SPDR ブルームバーグバークレイズ世界国債(除く米国)ETF:0.35%
・XLRE(不動産)
不動産セレクトセンターSPDRファンドETF:0.13%
・VTIP(先進国国債)
バンガード米国短期インフレ連動債ETF:0.06%
・IAU(金)
iシェアーズゴールドトラスト:0.25%
・DBC(コモディティ)
インベスコ DBコモディティインデックス:0.85%

平均経費率0.14%です。手数料の1%を含めると、トータルコストは年率1.14%となります。こちらも、WealthNaviより若干悪くなります。最終的なリターンは3.8%です。

楽ラップ

・運用実績:10万円→11.2万円(+12%)
・複利ベースの年率リターン(利回り):4.01%

運用開始は2016年11月です(2年10ヶ月の運用)。運用成績は上記2社より劣ります。楽ラップの運用成績がWealthNaviやTHEOより低いのは運用先に違いが影響しています。

上記2社の投資先の主体は成長率の高い海外ETFになっていますが、楽ラップの投資対象は主に成長率の鈍化している日本の株式や債券です。また、投資商品を投資信託に絞っているため、楽ラップには販売会社の手数料(信託報酬)がかかることになり、経費率は前記2社より高くなります。ただ、投資商品は投資信託の中でも低コストのインデックスファンドに徹底させています。

加えて、投資信託の信託報酬を平均0.25%程度にとどめ、楽ラップの手数料を年率0.7%程度に設定することで、トータルコストを最大年率0.99%としています。結果として、トータルコストは楽ラップの方が低くなっています。

楽ラップの保有銘柄と経費率は以下になっています。
・ステート・ストリート日本株式インデックス・オープン:0.17%
・たわらノーロード先進国株式<ラップ向け>:0.20%
・たわらノーロード新興国株式<ラップ向け>:0.29%
・ステートストリート先進国株式インデックス・オープン:0.2%
・ステートストリート先進国株式インデックス・オープン(為替ヘッジあり):0.22%
・ステートストリート新興国株式インデックス・オープン:0.29%
・ステートストリート日本債券インデックス・オープン:0.13%
・たわらノーロード 先進国債券<ラップ向け>:0.17%
・ステートストリート先進国債券インデックス・オープン:0.17%
・ステートストリート先進国債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり):0.2%
・ステートストリート新興国債券インデックス・オープン:0.63%
・ステートストリート米国社債インデックス・オープン:0.29%
・ステートストリート米国社債インデックス・オープン(為替ヘッジあり):0.29%
・たわらノーロード国内リート<ラップ向け>:0.27%
・たわらノーロード先進国リート<ラップ向け>:0.26%

平均経費率は0.23%と、上記2社より高めです。手数料の0.99%を足すと1.22%になります。利回りが4.01%なので、最終的なリターンは2.77%になり、やはり上記2社より見劣りします。

ロボアドバイザーの運用成績である利益を減少させる経費

ロボアドバイザーの利益を減少させるものに手数料や税金があります。

  1. 手数料
    アメリカなどの海外ではロボアドバイザーの競争が激しいため、手数料が安くなっています。ただ、日本の場合はロボアドバイザーがそれほど普及されていないためか、ロボアドバイザーの手数料は米国の2倍以上になっています。大手のロボアドバイザーでは、預り資産の約1%前後の手数料が一般的ですが、中には1.5~2%の手数料を取るものも少なくないため、事前の確認が重要です。
  2. 税金
    投資一任型のロボアドバイザーはNISAによる非課税が適用できないため、運用で得た利益は所得税の課税対象となります。そして、ロボアドバイザーの利益には20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金が課されます。ただし、利益が20万円以下の場合は納税の必要がありません。

なお、WealthNaviは課税対象の利益がある場合に、あえて含み損のある銘柄を決済し、利益と相殺させることで税金の支払いを逃れる機能が付帯されています。ただし、非課税になるわけではなく、単なる納税の先送り処理です。


関連記事:
ロボアドバイザー徹底比較。ロボアドバイザーをやってみるべき理由&NISAとの関係も

ロボアドバイザー・ラボとは|About the Author

ロボアドバイザー・ラボ
ロボアドバイザー情報専門メディア、ロボアドバイザー・ラボ。
ロボアドバイザーに関する専門情報をお届けします。

【メディア掲載】(※一部。順不同。)
・財経新聞
・朝日新聞デジタル
・SANSPO.COM
・SankeiBiz
・Mapionニュース
・楽天Infoseekニュース
・エキサイトニュース
・BIGLOBEニュース
・@nifty ビジネス