ロボアドバイザーの勝率について
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ロボアドバイザーの勝率を比較する意味
投資商品を選ぶ場合に、最も気になるのは運用利回りです。
利回りの高いものは投資として魅力的で、注目を集めやすくなります。
一方で利回りの高いものは同時にリスクも高く、投資ユーザーにとって選択の難しさがあります。
自分で銘柄選びに迷わないようにするためには、ロボアドバイザーによる自動運用は効果的です。
特に、銘柄選びから買い付け、運用、売却まで一手に引き受ける「投資一任型」のロボアドバイザーであれば、全く手間がかからずに投資を行うことができます。
ロボアドバイザーは独自のアルゴリズムに基づき、ユーザーにとって最も適切な投資商品を選択し、一括して運用まで行います。
ユーザーは銘柄選びの必要性もなければ、自分で売買の手続きをすることもなく、相場分析も必要ありません。
投資においては 、相場の状況に振り回されて精神的な苦痛が大きくなりがちです。
その点でもチャートを気にしなくていいロボアドバイザーによる運用であれば、最小限の負担にできます。
様々なメリットのあるロボアドバイザーの運用ですが、放置することに懸念を持つ人もいます。
「本当に投資成績は上がるのか」「勝率は大丈夫か」など、便利さと同時に、自分自身で銘柄選びや売買をしていないことによる不安が生じる場合もあります。
この不安を取り除くためには、自分に合ったロボアドバイザーの選択がとても重要です。
事前に十分な検討をして、納得できるものを選択すれば、後は信頼して任せることができます。
現在では複数の会社からロボアドバイザーが提供されており、それぞれでサービスに特徴があります。
気になる運用利回りについては、各ロボアドバイザーのホームページで成績が公開されています。
勝率を確認したい気持ちは当然ですが、単に投資実績だけを見て判断するのはリスクがあります。
なぜなら、公開されている投資成績は、各社によって異なる条件下で出したものだからです。
もちろん大きな参考にはなりますが、単純な比較には無理が伴います。
それぞれのロボアドバイザーの機能性をよく理解し、その上で過去の投資成績も参考にしながら、適切なものを選択することがベストです。
ロボアドバイザーの勝率のみにこだわらない方がいい理由(リスクの違い)
ロボアドバイザーの特徴として、長期投資や分散投資によって、安全性の高い投資方針を取ることができる点があります。
投資対象としてはETFを中心にしていることが多く、様々な銘柄に分散投資を行っています。
ETFは「上場投資信託」を意味し、投資信託の性質を持ちつつ、株式のような売買が可能です。
ETFは複数の銘柄を組み合わせて運用しており、気軽に分散投資ができる点がメリットです。
投資でリスクを回避する一つの方法として、分散投資は大きな意味を持ちます。
特定の銘柄に集中していると、そこで損失を出した場合に大きな痛手が発生します。
分散投資を行っていれば、リスクも分散されているため、一つの銘柄で損失が発生しても、値動きの違う別の銘柄でカバーできる可能性があります。
また、ETFは少額投資が可能で、運用コストも安いというメリットがあります。
ロボアドバイザーの運用成績が良好な理由は、このようにリスクを抑えながら安定的に運用できる銘柄に投資している点にあります。
但し、投資の目的はユーザーによって異なるため、よりリスクを取った運用をしたいと考えている人もいます。
リスクを高めにして、リターンを増やしたいと考える場合です。
ロボアドバイザーでは、自分自身の希望するリスクで運用することも可能です。
より安全な投資にしたい場合はリスク許容度を低くし、より冒険的な投資にしたい場合はリスク許容度を高くします。
つまり、リスク許容度を高くして投資に成功した場合は、リターンが大きくなるため、当然利回り成績が良くなります。
一方、 リスク許容度を低くすれば、リターンは小さくなります。
しかしリスク許容度の高いものは、大きな損失につながる可能性もあります。
リスク許容度を低くした場合は、大きなリターンではないものの、少しずつ利益を積み重ねていく堅実な投資ができます。
損失が発生した場合でも、その値を小さくすることができます。
リスクの高いものを運用していれば、順調な場合は利回りも大きくなりますが、損失時には大きな損失につながることがあります。
ロボアドバイザーの利回りや勝率を確認する場合には、そのことに留意する必要があります。
単に利回りがいいからということではなく、損失が出た場合のリカバーについても考えることが大切です。
ロボアドバイザーの勝率のみにこだわらない方がいい理由(手数料の違い)
各社のロボアドバイザーは、運用コストに違いがあります。
投資の勝率に目を奪われがちですが、実は運用コストは非常に重要な項目です。
ロボアドバイザーの運用は、中長期投資が基本原則です。
中長期の継続的な運用で、市場の成長と共に、それに応じた利益を積み重ねていこうとする投資スタイルだからです。
長期運用になれば、それだけ継続して手数料がかかってきます。
手数料をできるだけ抑えれば、より有利な条件下で運用を続けることができます。
例えば、ロボアドバイザーのウェルスナビは、預かり資産の3000万円まで1.0%、3000万円を超える部分は0.5%(共に税込)という手数料体系になっています。
一方、楽天証券が提供する楽ラップは、固定報酬型を選択した場合は0.715%(税込)の手数料です。
このような違いを理解し、自分の投資資金や投資目的に合った手数料体系のロボアドバイザーを選択することが大切です。
利回りや勝率だけではなく、手数料も含めた総合的な観点が大切です。
ロボアドバイザーの勝率のみにこだわらない方がいい理由(相場状況の違い)
どんなに優秀なロボアドバイザーでも、相場が悪化した時に利益を出すことはできません。
たとえリスク許容度を低くして安全性の高い投資をしていたとしても、やはり損失は発生します。
利回り実績は、相場環境によって大きく変わってきます。
投資実績はその時々の相場環境に大きな影響を受けるため、ロボアドバイザーの機能性とは別の面からも利回りを捉える必要があります。
相場が好調な時期は、もちろん運用実績も上がります。
利回りが高いとしても、相場環境が上昇している時期のデータであれば、成績が良好なのはある意味当然です。
過去の実績は、将来にわたっての利益を保証するものではなく、あくまでその状況で出した結果です。
もちろんその中でロボアドバイザーの優秀性が投資結果に大きく作用しますが、相場状況という根本的な大枠で捉える目も必要です。
利回りや勝率は参考程度にとどめておく方が、ロボアドバイザーの機能性や相場状況を客観的に捉える目を養うことができます。
ロボアドバイザーの勝率と投資成績の関係
投資運用でマイナス状況が続いていたとしても、相場状況の好転と共に、一気にマイナスがプラスに転じる可能性もあります。
その中で適切な投資を行っていれば、損失時にマイナス抑えつつ、利益時はプラスを最大限にしていくことができます。
ロボアドバイザーの運用で大切な点は、長期投資で最終的に利益を積み重ねるかどうかです。
一時的な含み損は、ロボアドバイザーの運用にとってはそこまで大きな問題ではありません。
ロボアドバイザーは、相場の下落も十分に考慮しながら運営している点に特徴があるからです。
恐慌のような特殊な状況ではなくても、一時的な株式市場の暴落は頻繁に発生し、小刻みな相場の上昇や下落は日常茶飯時です。
しかし長期運用を行う中で、暴落相場は次第に回復し、世界恐慌のような事態が起こっても、長い目で見れば回復基調になるのは過去のデータからも判断できることです。
通常相場で一時的な含み損を抱えることは、いくらでもあることです。
ロボアドバイザーの利用は、あくまで長期投資として結果を残していくスタイルということを理解し、特定時期の勝率や運用利回りだけに振り回されないようにすることが大切です。
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