WealthNavi(ウェルスナビ)の投資先

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現在、人気の急上昇している投資方法にロボアドバイザーがあります。ロボアドバイザーが普及している要因は、投資に対する知識がなく、経験もない一般市民でも、資金を投資で運用できることが挙げられます。つまり、利用者は何もしなくても、ロボアドバイザーに搭載されたAI(人工知能)が利用者に代わって投資先を選別し、運用してくれるということです。

そのロボアドバイザーのトップに立っているのが「WealthNavi(ウェルスナビ)」です。WealthNaviはウェルスナビ株式会社が2016年に始めたばかりのサービスですが、現在では預かり資産、運用者数ともにNo.1のロボアドバイザーになっています。

WealthNaviは利用者の投資適性に即したポートフォリオ(金融商品における資産配分)を構築し、自動的に金融商品の売買を行います。ただ、それだけではなく、以下のようなサービスを提供しているからこそ、WealthNaviがトップランクに位置していられます。

  • ポートフォリオが乱れた時のリバランス(配分調整)の自動実施
  • 定期的に自動積立ができる機能の搭載
  • 長期利用者に対する割引サービス「長期割」の付帯
  • 利益に対する納税を繰り延べできる「DeTAX」機能の搭載

そして、もう一つWealthNaviの大きな特徴になっているのが、運用の投資先が「海外ETF」に特化されていることです。海外ETFというのは、海外の証券取引所で取引されている上場投資信託のことです。

WealthNavi(ウェルスナビ)の投資先は海外ETF

WealthNaviが海外ETFで運用する目的は、地理的なリスクの低減化です。一般的にリスクの低減化というと、商品の分散投資があります。投資対象を株式や債券などに分散することで、リスクの偏りを防止しています。ただ、商品の分散だけでは完璧なリスクの抑制にはなりません。

例えば、投資商品が日本の商品だけの場合、日本の経済が低迷すると運用利益の拡大が望めなくなります。そこで、金融商品を世界の国に分散すれば、1つの国の経済状況に左右されずに運用することができます。実際に、日本の経済成長率は鈍化していますが、世界全体で見ると穏やかに伸び続けており、運用益の拡大が実現しています。

なお、ETFというのは指数に連動して価格が決まる金融商品であり、WealthNaviは株式、債券、不動産、金のETFで運用されています。

WealthNavi(ウェルスナビ)の具体的な投資先

WealthNaviは主に以下の7つを投資先として運用されています。ただし、ポートフォリオは利用者の「リスク許容度」に即して構築されているため、リスク許容度ごとに投資商品の割合が異なります。また、リスク許容度によっては、投資先から外れる金融商品もあります。

①米国株

VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)は米国の株式に投資されているETFです。
組入銘柄TOP10は下記の通り。

  1. アップル
  2. マイクロソフト
  3. アマゾン
  4. フェイスブック
  5. JPモルガン
  6. バークシャー・ハサウェイ
  7. エクソンモービル
  8. アルファベット・クラスA
  9. アルファベット・クラスB
  10. ジョンソン&ジョンソン

アップルやマイクロソフト、アマゾンなど、日本でもよく知られている世界的な大企業が名を連ねています。バークシャー・ハサウェイは知らない人が多いと思われますが、投資家ウォーレン・バフェットが会長兼CEOを務める世界で最も有名な投資会社です。

②日欧株

VEA(バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF)はヨーロッパやアジアなど、米国を除く先進国の株式に投資されるETFです。約4000の銘柄があります。
組入銘柄TOP10は下記の通り。

  1. ネスレ
  2. ノバルティス
  3. エフ・ホフマン・ラ・ロシュ
  4. HSBCホールディングス
  5. サムソン
  6. トヨタ
  7. ロイヤル・ダッチ・シェルA
  8. トタル
  9. BP
  10. ロイヤル・ダッチ・シェルB

ネスレ(スイス)は日本でも消費者の多いコーヒーなどのメーカーです。日本から時価総額一位のトヨタ自動車がTOP10に含まれています。サムスンは今話題の韓国最大の電機メーカーです。国別に見ると、日本が約20%で一番多くなっており、イギリスやフランス、ドイツなどのヨーロッパ勢が半分以上を占めます。

③新興国株

VWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF)は新興国の株式に投資されるETFです。
組入銘柄TOP10は下記の通り。

  1. テンセント・ホールディングス
  2. アリババ・グループ・ホールディング
  3. ナスパーズ
  4. 台湾セミコンダクターズ
  5. 中国建設銀行
  6. 台湾セミコンダクターズ ADR
  7. 百度 ADR
  8. 中国工商銀行
  9. 中国平安保険
  10. チャイナモバイル

中国企業がTOP10に多くランクインしているのが特徴であり、対象企業の3分の1を中国企業が占めています。1・2位のテンセントやアリババも中国企業です。アリババは企業買収の時によく名前の出る会社です。VWOの純資産総額は約7兆円と大きく、運用実績も10年以上あります。

④米国債券

AGG(iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF)は米国の国債や社債など、安全性の高い債券に投資されているETFです。AGGを運用しているのは、預り資産残高が約660兆円という世界最大規模を誇る米国の投資会社ブラックロックであり、長期投資の代表的な商品になっています。

AGGの特徴としては以下があります。

  • 債権だけにリスクが比較的小さく、安定した収益が望めます。
  • 株式と債券の価格には逆相関性があり、片方が上がると片方が下がります。従って、組合わせることで分散投資の効果が期待できます。
  • 2%の利回り収入を毎月得られます。
  • 物価上昇(インフレ)が起きると、価格が下がります。

⑤物価連動債

TIP(iシェアーズ米国物価連動国債ETF)は米国政府が発行する物価連動国債に投資されるETFです。物価連動債は物価の上昇に合わせて価格が上がります。通常、インフレが起きると、債券における金銭的価値が目減りします。ところが、物価連動国債の場合は物価上昇に合わせて価格が上がるため、国債の価値が落ちません。WealthNaviではリスク許容度1と2においてのみ、TIPをポートフォリオに組み込んでいます。これによって、インフレに弱いAGGを補っています。

⑥不動産

IYR(iシェアーズ米国不動産ETF)は米国の不動産市場に投資されるETFです。不動産に投資する金融商品のREIT(不動産投資信託)を通じて、米国のオフィスビルやホテル、住宅など幅広い不動産に投資します。不動産は古くから投資対象になっており、賃料などによる安定した収益が見込めます。また、株式や債券と異なる値動きをすることから分散投資にも適しています。そして、物価が上昇すると比例して不動産価格が高くなるため、インフレにも強くなっています。ただ、株式同様、景気が悪化すると価値が下がるというデメリットも抱えています。

⑦金

GLD(SPDRゴールド・シェア)は金に投資されるETFです。GLDを運用しているのはステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズという米国の投資会社です。金は古くから世界でその価値が認められている安全資産です。株式市場などで暴落が発生した時や、国際的な紛争の懸念が生じると、多くの投資家が資産の維持のため、資金を金に移行します。金融危機などが発生した時は、金を保有していると値上り益が期待できます。


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