ロボアドバイザーとファンドラップ

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ロボアドバイザーとファンドラップとは?

ロボアドバイザーが近年注目を浴びていますが、もともとファンドラップと呼ばれる資産運用もあります。最初にロボアドバイザーについてお話しすると、一言で説明すれば自動で資産運用を行ってくれるサービスです。厳密にはアドバイス型と呼ばれる自分たちの資産を入力することで、どのような比率で資産を保有すればいいかポートフォリオという形で案内してくれるものもあります。しかし、最近は手数料を支払って投資を一任するタイプが主流となっており、それが脚光を浴びているのが最近の資産運用のトレンドです。このロボアドバイザーとよく対比されるのがファンドラップと呼ばれる運用ですが、その違いを説明できる方は意外に多くはありません。
そこで今回、これらの違いについての比較を行うため、まずファンドラップとはどのようなものかを説明し、そのうえで様々な面での比較を行い、ロボアドバイザーとファンドラップではどちらの方が良いのかについても言及しながら、それぞれの特徴をまとめていきます。
これを読めばきっとそれぞれの良さを知ることもできますし、良さを知ることで適切な運用方針を立てることも可能になるのではないでしょうか。

ロボアドバイザーと比較されるファンドラップはどんなもの?

ロボアドバイザーとファンドラップは比較されることが多いのですが、ファンドラップとはそもそもどんなものなのでしょうか。
ファンドラップとは利用者(投資家)がまとまった資金を証券会社や信託銀行などのサービス提供業者に預けて、それらの業者に資産管理と運用を委託するラップ口座(投資家が証券会社などのサービス提供業者にある程度のまとまった資金を預け、資産管理・運用を行うための専用口座)のひとつです。最近できたサービスではなく、以前からあるもので1970年代のアメリカで誕生した経緯を持ちます。
基本的に「国内・外の債券」、「国内・外の株式」という4つのものに投資を行い、コースによって不動産(REIT)、先物(コモディティ)なども選べます。分散投資が出来る点や専門家が運用を行う点、リバランス(資産の比率を再配分する)の4つの点がメリットです。デメリットは手数料が高額という点で専門家が手掛ける関係で全資産の2%程度を毎年報酬として支払います。また、元本が保証されているわけではないため元本割れのリスクもあり、更にそういった状況でも手数料はかかるというのも問題です。
ただ、専門家による運用は魅力的であることや高額の運用を依頼すればするほど手数料は低くなり、利益額も大きくなるといった点から、資産運用の知識がない富裕層の間で利用されてきた経緯があります。
専門家によるいわば「丸投げの投資手法」がファンドラップです。ちなみに運用益の利率は年率で平均4%程度と言われており、手数料などを考慮しても年間2%程度の運用益を手にすることが期待できるという投資方法と言えます。

ロボアドバイザーとファンドラップの比較

ファンドラップについて知っていただいたところでロボアドバイザーとファンドラップを比較していきます。
この両者の違いですが、極論を言うと人が行うか(ファンドラップ)、AIなどのプログラムや機械が行うか(ロボアドバイザー)の違いです。
ファンドラップではポートフォリオの作成から運用、リバランスに至るまですべて証券会社などの専門家が携わります。一方ロボアドバイザーはすべてプログラムによって運営が行われ、人の手は入りません。この違いが様々な部分で異なるのです。
大きな部分に関して言えば、手数料、個々の状況に対する対応、実績において異なります。
手数料に関してはロボアドバイザーの方がファンドラップの半額程度の報酬で行うことが可能です。人を介さない分人件費(しかも専門家なのでコストが高い)をカットできるため、その分報酬も安くすることができ、年1%前後の報酬(プランによる)で可能となります。そのため一般の方でも敷居が低いというのがメリットです。ただ、個々の状況に対する柔軟性はファンドラップが優れています。その人個人の状況にあった投資を行ってくれ、きめ細かな対応をすることもできるのです。なので、必ずしもロボアドバイザーの方が安くてメリットとは言い切れません。
もちろんロボアドバイザーとファンドラップでは共通する部分も存在します。投資対象や運用成績です。投資対象に関しては国内外の株式や債権と言ったものは共通しており、先物に対応しているロボアドバイザーもあります。運用益に関してはここ数年程度の実績しかありませんが、ロボアドバイザーもファンドラップ並みの運用成績を残してるサービスが多い傾向です。

ロボアドバイザーとファンドラップではどちらが良いのか?

ロボアドバイザーとファンドラップではどちらが良いのでしょうか。最初に結論を言うと、小口であればロボアドバイザー、数千万円などの大口であればファンドラップです。ロボアドバイザーは少額からでも利用でき、手数料も安いため小遣い程度のお金でも利用できます。一方ファンドラップは小口にも対応していますが、手数料などを考慮すると少額の投資額ではリスクに見合わないのが現状です。逆に大口の場合はきちんと人の手によるファンドラップを行うのがおすすめと言えます。ロボアドバイザーは本場のアメリカでも歴史がまだ浅く、未知数です。そもそもリーマンショック後に誕生した投資手法のため、将来起こりうる大規模な暴落に対応できるかどうかが未知数という見方もあります。それ以外に金融のプロがロボアドバイザーの利用に長けているわけではありませんし、逆にIT(フィンテック)のプロが資産の運用のスペシャリストでもないため、両方のスペシャリストが誕生していないという見方もあり、大きなポテンシャルを秘めているものの、逆にどんなデメリットがあるのかもはっきりしない面があります。大きな資産を預けるのですから、多少手数料が高くとも専門家と相談したながら対応した方が安全です。
このようにすみわけを行うのが良いのですが、これでも手数料が気になるのであれば、無料で提供されているアドバイス型ロボアドバイザーのアドバイスをもとに自力で資産運用を行うという力技もあります。いずれにしてもロボアドバイザーとファンドラップの間に完全な優劣はなく、状況に応じて使い分けるというのが重要です。

ロボアドバイザーとファンドラップの違いを知って運用しよう!

このようにメリットやデメリットを持つロボアドバイザーとファンドラップですが、それぞれ特徴があり、その特徴に沿って運用を委託することで自分たちに合った運用を行うことができます。
ファンドラップは手数料が高いものの人の手による安心の対応が可能ですし、ロボアドバイザーは安価な手数料と少額からでも始められる一任型のサービスが利用可能なのです。ただし、共通して言えることは元本割れのリスクがあり、そういった場合であっても手数料が発生するということです。成功報酬型のプランもありますが、多くがそういった報酬体系になっているので、リスクの一つとして頭の隅に置いておくことが重要と言えます。
ただ、そういった点があってもプロや過去の実績を分析したプログラムによる投資の委託は忙しい現代において最適な投資方法の一つと言えますから、資産の運用を検討している方は自分の状況やニーズを検討したうえでロボアドバイザーやファンドラップを選ぶのがおすすめです。

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