ロボアドバイザーは「積立」と「一括」のどちらが良い?

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ロボアドバイザーの投資金における積立と一括の選択

現在の銀行における預貯金の金利は0.01%です。つまり、100万円を預けても、1年後に100円の利子しか付きません。これでは、銀行に預金する意味が全くありません。

一方、投資金をAIが自動的に運用するロボアドバイザーでは、一般的に利回りが5%程度になっています。従って、100万円を投資すると、1年後には5万円の分配金が付くことになります。

この利回りが将来の資産形成に大きく影響します。銀行にお金を預けていたとしても、現状の金利体勢が続く限りは資産の増額はありません。ところが、ロボアドバイザーで長期間運用していると、資産の大幅な増額を望むことができます。

仮に、ロボアドバイザーの利回りの数値が以下で維持された場合、各年数を経ると元手が倍額になって返ってきます。

  • 3%:24年
  • 4%:18年
  • 5%:15年
  • 10%:8年

つまり、500万円を投資すれば、1,000万円になって返ってくるということです。

ロボアドバイザーによる資産運用に関しては、20年、30年の長期スパンで見た場合、安定的に資産形成ができています。ただし、将来の投資環境がどのように推移するのかなど、誰にも分かりません。ロボアドバイザーにおける利回りも未知としか言えません。

そこで、問題となるのは、投資額を一括で出資した方が良いのか、積立の方がお得なのかということです。


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ロボアドバイザーへの投資金は積立と一括のどちらが有利

例えば、果物屋さんがあったとします。リンゴを売ろうと思い、農家から毎日仕入れる約束をしました。今日の仕入値は1個50円でした。ところが、翌日は55円になり、その次の日は40円に、さらに次の日は45円、そして5日目は50円と仕入値が日々変わりました。

結果的に、リンゴ1個の平均仕入値は(50円+55円+40円+45円+50円)÷5=48円です。リンゴ5個を240円で仕入れたことになります。一方、初日にリンゴ5個を一括に仕入れていると、仕入価格が250円になります。

この場合は明らかに、分割で仕入れたことが良い結果に繋がっています。しかし、リンゴの価格が下ると事前に分かっていたら、果物屋さんも初日に5個も仕入れることなどするはずがありません。仮に、初日の仕入値が45円だったら、一括仕入れの方が儲かったことになります。

実は、投資においても同じことが言えます。市場価格が下がるという予測が立つなら、投資額を分割して出資する積立投資を行った方が効果的な運用ができます。逆に、市場価格が高騰する見込みがあるのなら、一括投資をした方がはるかにメリットがあります。

例えば、100万円を運用する際に初月に100万円を一括して投資する場合と、1万円ずつ100ヶ月(約9年)かけて投資する場合では、市場の動向によって利益が変わってきます。

  1. 市場が堅調に推移
    現在、日本の年間経済成長率は平均で1%であり、世界全体で見ると3%になっています。仮に、市場が堅調に推移する場合は100万円を一括で投資した方が当然、利益が大きくなります。一括投資であれば出資した月から運用ができ、利回りが発揮されます。また、市場が堅調に伸びで行けば、10年が経つ頃には投資金が倍額になるという大きなメリットを得られます。

    1万円ずつの運用の場合は、1ヶ月目は1万円、2ヶ月目は2万円、1年後でも12万円の運用にしかなりません。当然、利益は一括の100万円で運用した時より大幅に少ないものでしかありません。また、市場が順調に伸びている場合は毎月、高くなった市場価格で投資商品を購入することになります。

  2. 市場に暴落が発生
    例えば、運用期間中に市場でリーマンショックのような大きな暴落があったとします。その結果、100万円の元手まで損失が発生し、元金が50万円に減るかもしれません。

    一方、積立投資でも損失を被りますが、その後の積立投資の金額が50万円より多かった場合は、一括投資よりも利益が増えるようになります。また、その後の積立投資では、安くなった市場価格で投資商品の運用ができるようになります。このように、積立投資には損失リスクを低減化できるというメリットがあります。

    なお、一括投資の場合は投資金を失うだけではなく、暴落による精神的なショックから、利用者が投資自体を止めてしまうことも考えられます。

  3. 自分のニーズで選択
    結論としては、一括投資と積立投資のどちらが良いということは言い切れません。それぞれに、メリットとデメリットがあります。どちらを選ぶのかはそれぞれの特徴をよく認識した上で、自分の投資意向や投資ニーズに即して決めることが大切です。

ロボアドバイザーへの投資金を積立と一括で併用

ロボアドバイザーの利便性が高いのは一括投資と積立投資の併用ができることです。それぞれのメリットを生かした運用が可能になります。

一括投資で当初に多額の資金を入金すれば、運用利回りを狙うことができます。また、市場価格の急落に対するリスク回避として、毎月一定額を運用する積立投資をすることもできます。積立投資では、初月から少額で運用できるため、まとまった資金が無い場合でも投資ができます。

各ロボアドバイザーの最低投資額は以下になっています。

  • THEO:1万円
  • WealthNavi:10万円
  • 楽ラップ:10万円
  • マネラップ:1,000円

マネラップの場合は1,000円さえあれば、投資ができることになります。

なお、ロボアドバイザーには積立投資として、毎月一定の金額を銀行口座から投資口座に振替える自動積立機能があり、1万円から積立てることができます(マネラップは1,000円)。

ロボアドバイザーの一括投資

ロボアドバイザーの場合は一括投資をしたとしても、ETF(上場投資信託)によって世界各国の株式や債券、不動産などに分散投資が図られるため、損失リスクが軽減されます。
例えば、以下の商品に分散投資がなされます。

  1. VTI(米国株):世界経済の中心である米国の株式に投資
  2. VEA(日欧株):欧州やアジアなどの先進国の株式に投資
  3. VWO(新興国株):成長著しい新興国の株式に投資
  4. AGG(米国債券):米国の国債や社債など、安全性の高い債券に投資
  5. TIP(物価連動債):米国政府が発行する物価連動国債に投資
  6. GLD(金):金に投資
  7. IYR(不動産):米国の不動産市場に投資

また、ポートフォリオは画一的になっているわけではなく、各利用者の資産状況や投資意向を確認し、各利用者ごとにポートフォリオが作成されます。

ロボアドバイザーの積立投資

ロボアドバイザーの積立投資で投資した金額は自動的にリバランスに利用されます。リバランスというのは、ポートフォリオ(資産配分)のズレを調整することです。運用期間が長くなると、市場価格の変化によって投資商品に損益が発生します。そうなると、投資商品の間で当初の資産配分の比率が変化します(株式同士の割合、株式と債券の割合など)。

そのような比率のズレを調整するために、積立投資の金額が使用されます。例えば、株式が値上がりして資産額の割合が高くなった場合は、積立投資の資金で債権が買われます。

なお、積立投資は自動的に銀行口座の資金が投資に回されるため、手間がかかりません。さらに、購入金額が一定のため、市場価格が高い場合は購入する投資商品が少なくなり、市場価格が安い場合は多くなります。その結果、ドルコスト平均法の理論によって所有商品全体の平均価格が安くなるというメリットを得られます。

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