ロボアドバイザー【ウェルスナビ】と「利益」について

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ロボアドバイザー・ウェルスナビはどのように利益を出すのか?

投資一任型のロボアドバイザーの草分け的な存在であるウェルスナビですが、利益は基本的に現金による資産を預かってそれを別の資産にして運用することで利益を上げています。
この投資対象となっている別の資産は大まかに分けると株式、債券、土地、金です。
これをETFと呼ばれる相場の数値の価格で売買を行う金融取引の形で売買し、利益を上げているのです。
株式はアメリカの代表的な企業の株価の指数をもとにした米国株、日本や欧州の代表的な企業の株価をもとにした日欧株、そして新興国の代表的な企業の株価(ほとんどが中国と韓国と台湾)をもとにした新興国株のETFに投資を行っています。
債権はアメリカの国や州などの公債の価格などをもとにしたETFや企業の社債の価格などをもとにしたETFです。
土地はアメリカ国内の土地をもとにしたETF、金もそのものではなく金の価格をもとにしたデリバティブ商品に投資しています。
直接投資も可能なのですが、株式の場合倒産、債権の場合も倒産や行政の破たん、土地は自然災害や様々なトラブルによる価値喪失、金は管理などリスクが大きいため、あえてこういった間接的な商品を売買しています。
この売買によってその差益を利益として運用しているのがウェルスナビです。
さらに利用者が出金要求をしなければその利益も更に資産運用のための資金によってお金を増やしていきます。

ウェルスナビの利益はそのまま利用者の資産にはならない

ウェルスナビの利益は分散投資やERTFと言う形で資産価値がゼロになることを極力回避するローリスクな運用を行っています。
直接投資よりは利率が下がるもののかなり高い確率で運用による利益が出るのです。
しかし、このウェルスナビはそのまま利用者の利益にはなりません。
当然ウェルスナビのサービス利用料とも言うべき手数料や国などから課せられる税金によってそのいくらかを引いた額が利益になります。
そのためウェルスナビで運用した利益がそのまま100%利用者の利益になるということはありません。
なので、ウェルスナビを契約する場合はその利回りを調べることも大切ですが、どの程度手数料や税金で引かれるのかを知ったうえで検討する必要があるのです。
ちなみに手数料と税金について少し触れていくと、手数料は運用や口座管理料を合わせた明瞭なものとなっており、多くのロボアドバイザーが別々に請求している中、ウェルスナビはこの点がシンプルで分かりやすくなっています。
税金は申告分離課税と呼ばれる仕組みで国や都道府県、市区町村からそれぞれ課税されます。
この二つを引いたものがウェルスナビによる利用者の実質的な利益になるのです。
確かに100%手に入るわけではないので、やや気になることもありますが、自分で運用を行うよりも安全な運用ですし、自分で投資先を探したり、選ぶ必要もないので、投資に慣れていない人には、そこまで高い出費ではないという見方も出来ます。

ウェルスナビの運用の実質的な利益は?

ウェルスナビの運用の実質的な利益は年利回りの50~70%程度が想定されます。
つまり、年平均5%程度の利回りであれば実質年率2.5~3.5%程度が予想されるのです。
この根拠について100万円で運用した場合の計算を例に紹介していきます。
まず、100万円を1年間運用し105万円まで増やすことに成功したところからスタートです。
最初に税金ですが、これは一律20.315%になります。
これは申告分離課税と呼ばれる自分たちの本業の所得とは異なった計算方法で課税されるもので1円の利益でも100億円の利益でも同じ税率(20.315%)で計算されます。
内訳としては国から課税される所得税が15.315%、都道府県によって比率は異なりますが都道府県と市区町村の課税を合わせて5%となります。
これがウェルスナビの利益5万円にかかります。
つまり、約10,157円課税されます。
次に手数料です。
ウェルスナビは全資産の年率1%(税別)で手数料がかかります。
3,000万円を超える分は年率0.5%(税別)となっていますが、今回の例は100万円なので、1%(税別)で計算します。
2019年12月現在税込みで年率1.1%ですからこれをもとに計算すると105万円×1.1%で11,550円になります。
これら税金と手数料を合算すると、約21,707円です。
利益である5万円にこの金額を引くと約28,293円が実質的な利益という計算になります。
この場合年利回りは実質2.8%程度です。
ちなみに手数料は資産全体にかかってくるので、運用益や積み立てで資産が増えるほど高額になるという傾向があり、注意が必要です。

ウェルスナビで利益をより多く上げるためには

実質利回りでかなり金額が減るという試算になりますが、ウェルスナビでより多く利益を上げるには、長期間の運用がカギになります。
ウェルスナビでは3年以上運用を行うとある程度の金額が口座にあれば(200万円以上)で手数料が0.9%(税別)になります。
先ほどの資産で手数料の高さが実質利回りを圧迫しているということを知っていただけたと思いますから、ウェルスナビと直接契約し、200万円以上預け、3年運用すれば利益がより多く上げられるのです。
注意点としてはウェルスナビと言っても他の企業にもサービスを提供しており、これらの企業が提供しているウェルスナビではこの手数料の割引がありません。
ただし、それらの企業ではポイント加算やエアラインが提供しているウェルスナビであればマイルなどが付与されると言った代替のサービスを行っている場合もあるので、それを見て利益が少し減ってもポイントやマイルが欲しいという場合はそちらを選ぶという選択肢もあります。
また、ウェルスナビにはリスク許容度というものがあります。
このリスク許容度を上げることで、ややリスクが上がるもののリターンとして運用益を増やすことができ、ウェルスナビの場合リスク許容度と運用成績がうまくマッチすれば利回りが年率10%に迫る場合もあり、この状態で運用を行えば実質年率が7%台と言う驚異的な数値になることも不可能ではありません。

ウェルスナビの利益のカギは長期運用

ウェルスナビはウェルスナビと直接契約を行うことやリスク許容度を上げると言ったことで実質的な利益を多く出すこともできますが、長期運用を行うということもポイントです。
長期運用を行うと複利と呼ばれる利益の増加が起こってきます。
例えば先ほどの例で行けば実質利回り2.8%であっても年数を超えるごとに利益が増えていくと言うことです。
初年度が102万8千円になりますから、これを投資に回せば少しずつですが運用益も増えていきます。
さらに積み立てを行っていけば、利率はそこまで上がって行かないものの利益として得られる金額は確実に増えていく計算になります。
順調に右肩上がりとはいきませんが、長い期間で見ると利益が増していくのです。
この点がウェルスナビの強みであり、ウェルスナビ自身も長期運用を推奨しています。
また、利用者が今後増えていけば利益のネックとなっている手数料も率が減っていく可能性が高く将来的には、より利益が出しやすい状況になる可能性を秘めていますから、いずれにしてもウェルスナビで利益を上げるカギは長期運用ということになります。


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